アルミの値上げと紙の値上げ

印刷の版はアルミ板を使っています。世界的なアルミの高騰は原産地の

ギニアのクーデターによるボーキサイトの供給停止と中国の電力不足に

よる生産停滞、建材・自動車関連の需要旺盛な状況が在ります。電気自

動車には重量軽減に大きく貢献するアルミボディが使われます。中国、

日本が電気自動車に大きく方向転換する行程が見え始めている今、アル

ミ供給の逼迫は避けられない処に来て居る様で8月に値上がりが在りま

したが来年1月からの出荷分からの10%の値上げ要請がございました。

8月からの分と合わせますと約15%の値上げになります。コダックさ

んの資料では中国の影響が大きいと書いてありますが、新聞によると中

国のアルミは自国の電気自動車分で賄うので一杯で実際は日本に入って

来ているアルミはロシア産と云う事です。

12月に入って各製紙メーカーからも15%以上の全種類の紙の値上げ

要請が来ています。特に強硬なのが日本製紙さん。王子製紙さんだけは

今の処何も言ってこない状況ですがそのうち言ってくる感じがします。

これらの要請の中で漏れ伝わってきた情報が微塗工の嵩高紙が採算が

合わない状況だと云う事。そう云えば、王子のピクシード、北越のHS

ハミングなどの紙で統廃合が在りました。日本製紙のb7シリーズでは

b7バルキーが去年、「鬼滅の刃」の本文用紙で長く商品が無い状態が

続きました。それほど人気だったら下請け使って沢山作れば良いのにな

ぁと軽く考えていたのですが、造っても儲からない紙だとしたら躊躇さ

ざるを得ない。b7シリーズ人気の紙なだけに余りの高騰は痛手に成る

気もして戦々恐々です。材料費の値上げはそのまま印刷費の値上がりに

直結しますが、安易な値上げは印刷離れと云う商機消失に繋がりかねず

2重3重の災禍に頭を抱えるたこ社長なのでした。