釜石市 大きな屋根を建てる

2019 年 12 月 6 日

建築家ヨコミゾマコトさん、写真家奥山淳志さん、版元ミルグラフ富井

さん。「釜石市市民ホールーTETTO」2013年から2019年ま

での建築現場の製作工程の資材、人、天気、風景を残さず切りとった記

録です。11年の瓦礫風景から街が人が生き返って行く喜びの軌跡。明

日は竣工式です。大きな屋根が出来上がりました。一関から海の方へ向

かって行って最初の瓦礫が釜石でした。鉄の街釜石。渾身の一冊です。

朝方の悪夢

2019 年 12 月 6 日

3時ごろ目覚めて、少し本を読んで眠くなったら電気を消すと云う

習慣が出来上がったようで2度寝の中で様々な夢を見ます。

朝、出勤して工場を覗いたら妙にさっぱりしているなと思って良く

みたら印刷機が全てのパーツに分解されているのです。ローラーや

ボルト、圧胴など綺麗に整理されて整然と並べられています。良く

見たらオペレーターたちも端の方に整然と並んで体育館坐りしてい

ます。「おいおい、どうしたんだよ!もうすぐ立ち会いの写真家

さんも来られるよ!」「早く組み立てろよ」と云って近づいて行く

と向こう側に写真家とデザイナーと出版社の人も並んで体育館坐り

しています。みんな綺麗さっぱり整理整頓されてしまっているの

です。「今日中に刷り上げないと間に合わないよ!」あー、頭抱

えたところで目が覚めたのでした。こんな年になってもこんな夢を

見るんですね、我ながら吃驚です。今日は野村佐紀子さんの写真集

の立ち会いです。

山谷佑介 EUツアー・帰国報告展覧会

2019 年 12 月 6 日

この度、山谷佑介は、本年9月に敢行した「Doors」ヨーロッパツアーの

帰国報告展覧会「I came backhome」を開催いたします。「Doors」とは

パフォーマンスと写真撮影を融合させたセルフポートレート作品です。

山谷は自身の意思を排したセルフポートレートを撮影するために、特殊

な装置を考案し、2018年春より日本国内でパフォーマンスを行なってき

ました。会場ではドラムセットの周囲に3台のカメラを設置し、ドラムを

叩いた振動をセンサーが感知すると強烈なストロボ光を放って山谷自身や

観客、会場の様子が撮影されます。撮影された写真はパソコンを経由して、

複数台のプリンターから絶えずプリントアウトされます。不規則に切られ

るシャッターと暗闇に放たれるフラッシュは、山谷の姿を残像として観客

の瞼に焼き付け、プリンターから大量に出力された写真はそれとは違うイ

メージを生み出すなど、パフォーマンスから写真の生産に至るまでの一連

の流れは、人間の意識や物事をみる眼差しの歪みや複雑さを浮かび上がら

せました。2019年9月、山谷は必要な機材をバンに詰め込み、ヨーロッパ6

カ国を巡るパフォーマンスツアーを敢行しました。走行距離4,980km、全8

回のパフォーマンスで撮影された写真は3,563枚にのぼりました。今回の帰

国報告展覧会では、現在の山谷のホームタウンである杉並区和泉での開催

になり、その全ての写真がプリンターから出力され、会場内に積み上げら

れていきます。また、来場者はそのプリントを自由に自宅へと持ち帰るこ

とが可能となっています。

今回の旅を振り返り山谷は「俺はずっと剥ぎ取ろうとしてきた。でも、取

ろうとしないで、こちら側を剥ぎ取った。そしたらそこには優しい世界が

ありました。」と述べています。SNSなどを通して日々多くの写真や情報

を目にし、常に何者かからの視線の中を生きる相互監視的な社会の中で、

自らの身を持って、アナログな方法で写真という行為に飛び込んだ写真家

の軌跡を、どうぞご高覧ください。


【展覧会概要】

「I came back home」

会期 :2019年12月7日(土)-12月15日(日)

時間 :月・火・水・木・金・日, 13:00-18:00

土, 13:00-20:00

会場 :ギャラリー山谷

住所 :東京都杉並区和泉1-10-7 (京王線代田橋駅・沖縄タウン奥)


※ギャラリー山谷とは、作品のコンセプトにあった空間での展示を目的と

した、神出鬼没なギャラリーです。

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山谷 佑介

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昨日、山谷さんが「パレットを貸して」と訪ねてきました。土曜日からの

展示で使いたいとの事。6枚ほど持って行きました。山谷さんらしい粗野

な現場空間を作り上げるようです。

どの様なツアーだったのか興味津々です。

花と龍 中村哲さん

2019 年 12 月 5 日

「花と龍」は、息子の火野葦平が両親の事を書いた実録小説です。

舞台は北九州、若松区。明治の終わりに若松の石炭集積地に流れ着いた

両親が度胸と義侠心で波止場の暴力を束ねて行く話です。ご自身の名前も

実名で登場します。玉井金五郎とマン。中村さんのお母さんは火野さん

の妹、秀子さん。若松は特にも画にもとてつもなく暴力性を帯びた町で

す。一見何気ないのですが、怒りの沸点が異常に低い。ちょっとしたこ

とで虎やライオンのような顔になって喧嘩が始まる。日本で一番短気な

街。時々墓参りに帰りますが静かに道の端を歩いています。玉井家の話

は、叔母さんが遊びに行っていた関係で色々なエピソードを訊いて育っ

たので玉井家については、思い入れも強くて応援もしていました。

その玉井金五郎に一番、性格が似ていたのが中村哲さんだと云います。

しかし、その印象は、静かで寡黙です。心の中に滾るほどの熱さを持っ

ていながら爺さんと同じ度胸と義侠心の人でした。

読まれなかった小説

2019 年 12 月 3 日

ドローンの映像が山を駆け下りる一台の車を俯瞰で撮る映像から映画が

始まります。一人の若者がチャイを一口、グビリと飲み込みます。

後から考えたら茶飲み話なんだなと膝を叩くのでした。

小さなグラスで茶色い液体をぐびりと飲むと一般的には昼間であっても

それはスピリット、酒です。しかしここトルコでは、多分イスラム教徒

として酒を飲みません。お茶を飲みながら色々な議論を交わすのだと思

います。飲んベイの私が言い訳する訳ではありませんが、人生に酒が無

ければキツイ。とんでもなくきつい。酒はまたは酔いは、問題を先遅り

出来ます。無かった事にする事が出来ます。酒は諦めさせてくれる。

先送りできない人生は、ずっと目の前に問題をぶら下げた状態で日々

の暮らしと向き合わなくてはいけないのです。酒の無い人生の代わりに

あるのが賭け事なのです。先送りにしないでひっくり返す事が出来る

勝っても負けても。所々で破滅的な瞬間が挿入されます。イスラム教徒

のきつさとは又は、一神教の辛さとはここでは無いかと思います。

一つの家族、親子を通して明かされるのはトルコと言う国のありような

んだと思います。映像が綺麗です。しかしその懐では、ずっと変わらな

い人生の懊悩が横たわっている。その懊悩を酒無しで議論し続ける、

キツイ、あまりにもキツイ。話は変わりますが島根の板倉酒造「天穏」

がとてつもなく良いです。バランスがとても良い。至って普通ですが

この普通さ加減で途轍もなく美味いと思わせる酒と云うのは、尋常じゃ

ないのです。

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