芯なし薄表紙 上製本

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芯なし薄表紙の芯と云うのはボールの事で通常、上製本の場合印刷表紙

でも布張りでも、中に1mmから2.5mm位の芯ボールが入っているのが

普通です。これを表紙自体の紙を厚くして芯ボールを入れない様にして

作るのが芯なし薄表紙上製本です。薄いと云ってもハードカバーに比べ

たら薄いというだけで並製本に比べたら決して薄い訳ではありません。

表紙はビク抜きをして本フランス装の様に中に折りたたみ見返しをベタ

貼りします。上製本の様に本文は固めて仕上て表紙とくっつけます。表

紙が柔らかいのでしなやかで軽やか。フェミニンな感じと柔軟さがこの

本の魅力です。表紙が薄くて傷みやすいのと紙の選択によってはしわや

段差などの強調で軽やかさが儚さをイメージさせてしまう場合も。

イニュニックの「未明02」は芯なし薄表紙上製本。誌とアートと写真

を切り口に時代の兆しを探す叢書です。兆しなので敢えて儚い感じを強

調する体裁となっています。

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