ピンクマスター

軽オフセット印刷では、紙版を使います。オフセット印刷ではアルミ版を

使いますので、耐刷枚数10万枚ぐらい刷れるのに対して軽オフセットで

は、2000枚ぐらいが限界です。耐刷枚数もありますが、画像の線数も100線

から133線位しか表現できないので、印刷の仕上がりはオフセットに比べて

大きく落ちます。基本的には文字もの、頁物を主に印刷する方式です。さ

てピンクマスターと云う言い方ですが、これは紙版の事を云います。最初

は水色の版ですがデータを焼き付けて、現像して出してくるとピンク色に

なって出てくるため、ピンクマスターと云います。少部数の本の制作で良

く使われますが、少部数ではオンデマンド印刷が権勢を奮い始めているの

で、ピンクの軽オフは少々、肩身の狭い世界に追いやられています。軽オ

フの弱点に画像の荒れが有ります。チープさが出て面白いという意見もあ

りますが、これは好みです。実際、オンデマンド印刷のトナーのテカリを

嫌う方々もお出でです。活版好きの詩集、文芸誌の同好の方々は、特に軽

オフが好まれるようです。背景とした世界観でどれを選ぶか決まってきま

す。スマホとネットの便利さから、敢えて軽オフの人間臭さを選択される

方もいます。完全すぎる窮屈さは、息が詰まるだけでなく心身を疲労させ

ます。アバウトなところが好まれるところではあるのですが、そこを云う

とリソグラフなどのもっとアバウトな世界から云うと少し、綺麗すぎるの

です。リソグラフはレトロ印刷等と云う言い方が示すように作り其のもの

がチープな孔版印刷なので、より味は濃いと云えます。軽オフセットは、

金額的部数的に言うとオフセットとオンデマンドの中間ぐらいです。500

部から1500部が丁度いい部数で文字ものの冊子でしたらこれが一番安

いと思います。オンデマンドの安さ、綺麗さもありますが、ピンクマスタ

ーの味もいわく言い難い良さです。少し前まで三菱のシルバー製版を使用

していましたが、現在は、またピンクマスターに変更しました。