マルチスクリーニング
印刷するデータは、刷版上で線画や網点に置き換えられて印刷イメージになります。スクリーニングと云います。目では確認できない大きさですので、印刷物を見た時に気にされることは無いと思います。スクリーニングによって印刷物の印象は変わります。表現の得て不得てが有ります。網点形状、線数、ドットサイズ、スクリーン角度、ドットゲイン。女性の写真と男性の写真ではそれぞれふさわしい網点があります。花と金属でもやはり表現にふさわしい網点に変えた方が綺麗です。自然の鮮やかな画像はFMスクリーニングが綺麗です。このようなことは、本当に画像に拘る印刷会社と製版会社が行っている事なので、一般の方はあまりご存じないかと思われます。特にネット印刷などでは、安さが第一なので、その様な手間を掛ける事はほとんど無いでしょう。ほとんどの会社がAMスクリーン175線で印刷しています。まして、いろんな商品を付け合せで印刷する場合、一つの版上に様々な画像が有りますので、色々なスクリーンを同時に使う事は通常できないのです。今まで一つの版上では1種類のスクリーンと云うのが基本でした。それがリップの進化によってマルチスクリーンと云う方法が実現しました。写真集で考えるとA4の写真集を造る場合、8ページ同時に印刷します。当然そこにはいろんな写真が入っています。自然の写真、女性の写真、金属の写真、男性の写真。それらをそれぞれ引き立てる、スクリーニングで網点形状を作り印刷することが可能なのです。高精細印刷は少し前には花形でしたが、現在はマルチスクリーニングが主流になります。表現多彩です。綺麗と汚いが同居することもあります。そのような時にこそ力が発揮されるCTP刷版です。印刷は100%刷版で決まります。印刷機の性能の差が無くなり始め、オペレーターの腕の差が無くなってしまうと残るのは、マルチスクリーンで裏打ちされた製版技量だけとなります。