カレイドは綺麗ぇーど!
「やっぱ、暑い夏はカレーだよね!ちょっと一口食べてみなんしょ、辛ぇ
ーど!」という訳でもないでしょうが、東洋インキが開発したインキにカ
レイドインキがあります。「カラーがえぇーど!」と言う意味なのか?広
演色印刷を実現する画期的なプロセスインキです。色狂いの様な鮮やかさ、
4色印刷なのに6色、7色印刷に近い色表現を可能にした印刷システムです。
発想が関西系かも知れません。関東は引く文化、関西は盛る文化。しかし
視覚表現領域の高再現性は、盛る訳でも何でも無く大元の視覚認知色彩又は、
RGB画像の広い色表現領域の再現をめざす訳ですから、より実際の色に近い
表現が可能になる印刷システムなのです。人間の目で視た景色とカメラで
撮った景色の色表現は異なります。カメラのRGB画像は、人の目の視認色を
全てカバーしている訳では無いのです。RGB画像をCMYK画像に変換した時に
又、色再現の縮小が起きます。具体的には、濃いブルー、エメラルドグリー
ン、オレンジ、ピンク等、鮮やか系の色は、大体近い色で濁ったりくすんだ
りした感じになります。色相、彩色、明度による2次元及び3次元表記の色度
図を表した図でガモット図と云うものがありますが、AdobeRGBでさえ視認色
の2/3位の範囲をカバーしているのにすぎず、CMYKとなりますとRGBの3/4位の
色再現になります。ただ色再現の客観性を全ての領域でカバーしなければい
けないか?と云いますと、決してそう云うものでも無く、ある意味、絶対的
恣意性において事物や風景は、認識されている訳です。運命の女に出会った
時、その目に映っている風景は、現実の色ではないものに染まっているかも
知れませんし、かけがえの無い親友が亡くなった朝には、全ての色が消え失
せているかも知れません。それぞれの色が恣意的でも、より多くの人と共有
できる色再現性となると、やはり科学的に裏付けられた色表現が大切になる
のは、云うまでもありません。カレイドインキで印刷する方法は、通常のプ
ロセスインキを東洋インキ販売の「カレイドプロセスインキ」に変えて印刷
するだけですが、データの作成、確認はジャパンカラーではなく、専用のICC
プロファイルが必要となります。Kaleidoプロファイルは、広演色印刷の効果
を最大限に発揮する専用のプロファイルです。モニター確認やインクジェット
出力でも反映されますので、印刷前段階でチャックする事が出来ます。刷版
時に色管理、製版カーブの調整、印刷機でのドットゲインの調整等、通常の
プロセスインキとは、異なる印刷準備が必要となりますので、時間と費用が
割り増しされます。