パチカ
晩秋のよく冷えた夜、翌朝起きるとあたり一面、雪が積もっていた。
屋根や地面が真っ白に覆われていて、たった一晩で街は、長く続く
冬に足を踏み入れていた。それでも白い雪の上に足を踏み入れる、
小さな足跡を雪の上に刻印して行く。冬の重さを確かめるように。
岐阜県にある華陽紙業に伝えられた新しい紙のイメージはその様に
伝えられたのでしょうか?白くて深くへこみ、その底に地面を思わ
せるような色の変化がありながら、少し凍っている。パチカの発売
は2004年でしたが制作時期は1997年まで遡ります。パチカは
1998年長野オリンピックの大会パンフレット用に特別に制作され
た用紙です。見事にその要請に応えていると思います。箔押し機で
熱を加えるとその通りになります。長野、オリンピック、雪、礎、未来。
パチカのイメージはそれらの一つ一つを象徴している。北陸新幹線の開
通に見事に応えたのが岐阜の華陽紙業。紙というものを馬鹿にしたもの
でもないでしょう?