オフセット印刷について

オフセット印刷の原理

オフセット印刷とは、印刷技術のひとつであり、版と紙が直接触れないのが特長となっています。

版に付けたインキを一度ゴムブランケット等に転写(オフセット)した後、紙等の被印刷体に印刷します。その為、オフセット印刷と呼ばれます。

さらに、ここで軽オフセット印刷の説明もします。軽オフセットとは、製版にPS版ではなく「ピンクマスター」と呼ばれる紙版を使用する印刷形式。また、略して「軽オフ」と呼ぶ事が多い。

アミ点がつぶれやすく、写真などを含む精密さやベタなどの多い印刷物には不向きではあるが、製版コストが安く、手軽な料金設定がメリットであり、オフセット印刷でも軽印刷の代表的な技術となっています。しかし、近年は紙版の製版機もデジタル化となっており、PS版と比べ遜色のないレベルまで網点の再現性が向上している。

wikipedia「オフセット印刷」一部参照

CTP印刷について

データから直接、印刷の版を作りますので、早くきれいが実現。 印画紙、フィルム、プリントアウト出力紙等の中間感材を使用しないので、写真のアミ点がシャープに表現できます。

従来のアナログ製版では、写真1点につき費用が加算されていましたが、写真画像がうめ込まれたデータ支給の場合はそういった費用はかかりません。

FMスクリーン・CTPの比較一例

下記では、「FMスクリーン」やCTP印刷の300線と175線の仕組みや、用途についての説明を大きい画像で説明しています。

元画像

FMスクリーンについて

FMスクリーンの網点

入稿されたデータは、4色(青・赤・黄・黒)の網点に置き換えて印刷します。FMスクリーンは網点の種類の一つで、従来のAMスクリーン175線に比べて非常に高精細な細かさ(約1/4 20ミクロン)で写真などの画像を表現します。

例えるとすれば、「普通のテレビ」と「ハイビジョンテレビ」の違いがあります。全体的に鮮やかに仕上がり、CMYKの色表現域も広がります。又、一つ一つの網点があまりにも微細な為、印刷機の状態等の影響を受けずにデータ通りの表現が可能です。

AM 300線CTP印刷について

FMスクリーンの網点

高精細AM300線CTP印刷。従来の175線のCTPの線数に比べて、1.7倍の超極細階調表現。遠景の人物画像でも、表情が解りやすく、荒いドットが見えません。

コート紙やマットコート紙に適した線数です。弊社では、非塗工紙(上質紙)以外は全て、300線のカラーが標準です。

AM 175線CTP印刷について

FMスクリーンの網点

オフセット印刷。
全ての種類の用紙と、印刷仕様に対応できます。
主に上質紙、書籍用紙の、カラー印刷に適した線数です。

AM 175線CTP印刷について

AM 175線CTP例1
AM 175線CTP例2
AM 175線CTP例3
AM 175線CTP例4

軽オフセット印刷。墨印刷のみ。用紙は、上質紙・再生紙・特殊紙・書籍用紙(淡クリームキンマリ、モンテルキア、b7トラネクストなど)のみ。1/2以上のベタ、平アミ等は出来ません。

印刷職人 現場の目利き

【オフセットの特殊印刷】

180711genba01.jpg

紙の出荷額では、上質、厚紙カード、ポスト紙、コートボール、クラフトボール、

チップボールは対前年比でほとんど落ち込みは無く中には、少し増えている物も

あるのですが、A2コート6%減、A3コート10%減、微塗工紙5%減と丁度パンフレ

ット、チラシ、雑誌等の用紙が対前年比、徐々にではありますが、出荷額を減ら

しています。先日インキメーカーの方と話していた時、出て来たのがプロセスイ

ンキの対前年比15%減と云う衝撃的な数字。中間色の出荷額が国内一位のメーカ

ーのお話しです。プロセスインキとは、カラー印刷のシアン、マゼンダ、イエロ

ー、ブラックの4色。これは、A2コート、A3コート、微塗工紙の減と丁度一致す

るところではあります。ただ、少し多いというのが実感です。箱紙などはほとん

どカラーですがインキ濃度はさほど濃くないのここが対前年比で少しぐらい増え

てもインキの使用料はそれ程増えません。カラー印刷離れが少し始まっているの

かな?と云う印象もあります。裏面はカラーですが表は銀や蛍光色の特色と云う

パターンのチラシやパンフレットが増えている感じはあります。余所のネット印

刷が特色や特殊なインキの印刷をほとんど受けていないのでイニュニックに集ま

りやすいと云う処は在りますが。ここ何年かは、変わった紙と云うのが印刷の流

れでしたが、此処に来て特殊印刷と云うのも新たな方向性として浮上してきた感

があります。今月出た「デザインのひきだし」はオフセットの特殊印刷です。銀

の紙に銀で印刷。黒い紙に黒で印刷。白い紙にニス印刷、又はホワイトインキで

印刷。ニスに少しの赤を入れると薄いピンクが微かに見えます。銀にシアンなど

を少し混ぜるのはDICナンバーでもありますね。ネット印刷では印刷の相談と云う

のが出来辛い処は在りますが、イニュニックは違います。打ち合わせルームに有

りとあらゆる印刷見本、製本見本、加工見本が有りますのでその場で確認できま

すし、その場で金額を知る事も出来ます。どうぞいつでもお出で下さい。


上の写真は、NTラシャの黒の紙に白を印刷してその上にカラーで印刷した夜の赤

外線写真です。黒の紙が夜のナマナマしさを露わにしています。


【オフセット印刷】

オフセット印刷の版は、とても薄いアルミの1枚の板です。厚みは0.3mm。

たった0.3mmで如何にしてインキの着く部分と着かない部分に分ける事が

出来るかと云うと、水と油が反発する原理を使って版の上に親水部と新油部

を作り絵柄を創っています。オフセット印刷機の構造は、版胴、ブランケッ

ト胴、圧胴の三胴を基本に版胴にてインキと水で印刷画を作り、それを一旦

ブランケットに転写します。ブランケットはゴムで出来ているのでそれが判

子となり紙に転写されます。紙と版が直接触れ無い為、版が傷む事が無いの

で大部数の印刷が可能です。しかし一方、刷版上のインキの盛れる量が少な

いのでスクリーン印刷やグラビア印刷に比べると濃く鮮やかな仕上がりとは

行きません。

オフセット印刷の版は凸凹が少ない分、高精細な網点を創りだす事が出来ま

すが水とインキの繊細なコントロールも必要とします。三つの胴とインキ部

と水部でワンユニットとなり一色の印刷が出来ます。カラーの場合はプロセ

ス4色なので4ユニット。カラー4色プラス特色1色で5色機や用紙の表裏

をワンパスで印刷できる8色機などが有ります。片面カラー4色プラス、補

色2色の6色機でプロセスカラー4色以上の広演色再現性を目指す印刷方法

を取り入れている印刷会社もあります。こちらは6色機でないと出来ないや

り方です。

オフセット印刷機の基本構造は、上記の通りですが、印刷する部数によって

枚葉印刷機とロール紙で紙を供給する輪転印刷機が有ります。大量な枚数を

印刷する場合輪転の方が圧倒的に速いです。価格も安くなります。枚葉印刷

機が1時間当たり、13000枚から18000枚刷れるのに対して、輪転印刷機は、

10万部から20万部刷れます。ロールで繋がっているので単位が少し違い

ますが一応48ページの新聞の部数の単位となっています。

インキと水の関係から速乾印刷を謳うCTPメーカーも有ります。オフセット

印刷は水とインキのバランスで印刷しています。両方のバランスが取れてい

ないと印刷できませんし、正しい色になりません。水が多いとインキも多く

なります。印刷オペレーターにとって楽なのは、水を少し大目に出しておい

てインキの量で調整して印刷する事。保水性の有る版でしたらインキ量のコ

ントロールだけで目指す色味に合わせられるので作業としては楽です。しか

し水が多い分インキも多いので刷了後の乾燥に時間が掛かります。そこで水

を極限まで絞って印刷する方法。例えば保水力のない版を使うと適性に印刷

出来るゾーンが非常に狭くなります。水が少ない分インキも少なくて済み、

尚且つ正確にデータ通りの印刷になります。これが所謂速乾印刷と云う方法

です。印刷している時は、連続して毎秒で何枚も印刷しますので乾いていな

い状態で重なると裏写りの原因になりますが、速乾印刷ではギリギリまでパ

ウダーの量を減らせると云います。パウダーはデンプン質で出来たミクロ状

の粒子です。此れを紙と紙の間に撒いて隙間を作ります。油性印刷では一般

的なブロッキングを防ぐ方法です。インキの中に予めその様な役割の粒子を

混ぜ込んでいるインキメーカーも有ります。

UVインキを使う印刷方法と云うのは、最近多く普及し始めている印刷方法で

す。UVインキは紫外線で硬化する成分が入ったインキです。4色印刷して最

後の排紙部の手前で紫外線を当てると瞬時に固まりますので、その後断裁や

製本にすぐ掛かれるのが特徴です。マット紙やOKアドニスラフやB7トラネク

スト等のラフ書籍用紙など人気の用紙、インキ濃度のとても高いカラー画像

でも無理なく印刷できます。印刷素材も幅広くフィルム、ユポ、ペット等、

油性インキが出来なかった素材でも問題なく印刷できます。