モノクロ写真集

モノクロ写真集の方に多いのが、フィルム撮影。 厚みや深み、階調や質感

等、デジタルで表現できない部分を、カバーしてくれます。 フィルムで写

して、暗室の印画紙焼きで仕上げます。 このプリントから写真集を作る場

合、この紙焼きをデータ化する必要がございます。 アナログ製版、アナロ

グ刷版から印刷と言う、昔ながらの方法も無い訳ではありませんが、 設備

や技術を継承できているところはとても少なく、ほとんど皆無というのが現

状です。 ですから、スキャナーで紙焼きかフィルムをスキャンするか、高解

像度カメラで撮影するかとなります。スキャニングに関しましては、ハッセル

ブラッドのフレックスタイトX5が、 反射原稿とフィルムの両方スキャン出来

ますが、生産中止で、現在のものは、フィルムスキャンだけです。 非常に高

価ですが、最高峰のレベルです。 この他には、エプソンのGT-X980が、A4サイ

ズまでで、6万円。 エプソンES-G11000が、A3サイズまでで、24万円。 一般的

なのは、GT-X980。 こちらでデータ化して、あとは、フォトショップで、作り

込んで行きます。

フィルム写真をデータ化出来ましたら、次に印刷の方法を考えます。 少部数

で、安く印刷出来るのは、オンデマンド印刷。 モノクロ専用機コニカビズハ

ブプロ1200は、1200dpi×1200dpi。 256階調の高精細プリンターです。 オフ

セットインキをと較べて、トナー顔料が濃く、黒が締まるのが良い所ですが、

黒すぎて、トナーのマット感を気にされる方もおいでかと思います。 ハイ

スピードの時代性にマッチした印刷方法です。もう一つの印刷方法が、昔な

がらのオフセット印刷。 こちらはインキはスーパーブラック等、黒顔料の濃

いインキを使用します。 ハイライトの部分にグレーを入れて階調を上げる2色

刷印刷等もございます。 オンデマンドは、一枚からプリント出力できますので、

校正は簡単ですが、 オフセットは、本機校正をするしかなく、何回となく試し

刷りを繰り返す事になります。 オフセットの本機校正で特に注意しなければい

けないところが、印刷する時の濃度です。 通常刷版のインキ情報に忠実に刷る

事が基本ですが、モノクロの場合フラットに刷ると黒インキの濃度が弱く感じ

る場合が有、 ほとんど本印刷の場合は、濃く刷ります。 その方が黒が締まっ

て見映えがします。 つまり少しだけ暗部の目が開いた感じにデータを作る必

要があるのです。 校正は、フラットに5枚、1.3倍ぐらいにインキを出した状

態で5枚、印刷します。 そちらをご覧になり乍ら、データを修正して下さい。

ダブルトーンは、もう少し複雑な工程を踏みます。 スミ版を主版としてハイ

ライト部強調のグレー版を作る事になりますが、モニターで見えているもの

と大きく変わりますので、 実際の本機校正を繰り返す事になります。 しかし

ダブルトーンにしなくても、現代のデジタルの階調はFM30μぐらいまで出ます。

AM換算で、400線です。 紙をアート紙にすれば、しっかり印刷できる、刷版

技術ですし、印刷機です。印刷データが完成したら、次は、用紙の選択です。

青系の白、ナチュラルな白、アート紙、ダルアート紙、これらは、インキが

乗った画像部が少し光ります。 つまり紙はマットだけど、写真部はグロス。

少し安い、OKトップコート、ユーライト。 マットでテクスチャーのある、b7

トラネクスト、コスモエアライト。 ニューエイジも少し黄ばんだところが、

ノスタルジックな感じもありますし、紙焼きの地色に近いところも有、人気

です。 紙が決定すれば、後は印刷で、製本はご予算に応じて、上製本、PUR

製本、中綴じと、どの様なタイプでも承っております。