紙を貼り合せる
リバーシブルマーメイドと云う用紙が有ります。これはマーメイド115キロ
の用紙を表裏、色違いで貼り合せたものです。斤量260キロになります。厚
さは0.42mm。そこそこ厚いです。造ってはみたモノの殆んど利用されていな
い用紙です。厚さが少し厳しい。最近でこそ0.42mmは、普通の印刷機でも標
準装備となりましたが、10年以上前の印刷機では厚紙印刷機の部類に入って
普通の印刷機では中々、通しづらい厚さの紙です。それと金額でしょうね。白
いマーメイドに表と裏、違う色のベタで印刷すればそれなりにリバーシブルな
色違いが出来ます。昔だったら私もそれで良いと思っていました。しかし、今
は違います。印刷で紙の色を出すことは出来ません。印刷の色と紙の色は違い
ます。全く同じ色のインキを創っても白い紙に印刷した時には、全然別物です。
それは、オフセットでは、水を使うからです。紙の表面でインキ自体で平らに
色を表現しているからです。紙の色は顔料そのものが紙の中に練り込まれてい
ます。紙のテクスチャーの中に色そのものが入っているので、色に厚みがあり
ます。凸凹の色が乱反射しながら用紙の色として視えているのです。用紙の毛
羽の一本一本に色が入っているためです。プロダクトの力が見直されてきてい
るのは、各分野色々ですが、特に特殊紙の方で顕著です。カラーが流行って、
オンデマンド印刷の隆盛が在って、現在は特色のオフセット印刷がまた見直さ
れています。そして此処に来てもう一回復活の兆しが見えるかもしれないのが
ファンシー系の特殊紙です。今回、皆さんがやりそうで殆んどお試しにならな
いのがいろんなタイプの紙の貼り合せです。最初から貼り合せてあると云えば
リバーシブルマーメイドですが、合紙と云う手法を使えば殆んどの紙を貼り合
せる事が可能です。表が薄クリームに裏は濃紺。たとえば表に「ディープマッ
トルージュ」裏に「キュリアスメタルスーパーゴールド」を貼り合せてガンダ
レ表紙、表紙は箔押し又はエンボス。紙の力だけで力強いポロダクトが浮かび
上がってきます。ガンダレ表紙で遊び紙を差し込むよりシンプルで力強い効果
が出る様な気がしますが、ぜひイニュニックで新しいアイデアをお試しくださ
い。お待ちしております。