小口が階段状になっている本

小口が階段状になっていると云っても所謂小口でして天と地の小口が階段状に

なっているわけではありません。出来なくは無いですが三方小口の階段状は、

難しいです。並製本でノドの反対側の小口を階段状にする事は簡単です。

ページ数の多い、分厚い本でしたら見ごたえは在ります。章毎の段差を付けれ

ばとても見やすいです。オンデマンド印刷ではページ順に印刷しますので、一

旦順番になったものを区切るところで分けて、小口仕上をして元に戻します。

その時点で階段状になっています。それを表紙で包んで天地仕上げれば階段状

製本の出来上がりです。小口を仕上げることが出来ないので表紙と本文の仕上

がり具合を確認しながら全体のイメージを作っておくことが必要です。小口に

細工をすると色々な仕掛けが出来ます。たとえば偶数枚と奇数枚の長さを1mm

位差を付けます。本文のページが一枚毎に長くなったり短くなったりするのです

がこの本の小口に親指を当ててパラパラとページを捲ると2ページづつ捲られて

いきます。この本を持ちかえて反対から同じことをするとやはり2ページづつ捲

られていきます。この時現われるページが異なるのです。前から捲ったときに現

われる内容と後ろから捲ったときに現われる内容が異なる。一冊の本で二つの顔

を持つことが出来る。これをやる時はページの順番ごとに印刷する方法でやって

しまうと後で後悔する事になります。こういう製本をするときは、ページ毎に印

刷します。本に仕掛けを施す場合は、その仕掛けをしっかり反映する紙を選ぶ必

要が有ります。表紙などもその仕掛けに誘導する紙の柔らかさなどが必要ですね。

これは中綴じでは難しいです。無線綴じで来たらPUR製本の良く開く製本方法が適

しています。