紙の品不足
ペーパーレス法案が通ってペーパーレス社会に舵を切って新年度が始まり
ました。紙が無いという状況は、ひとまず一段落したようです。在庫を押
さえて独り占めしていた処も売らなきゃ商売にならない。倉庫に持ってい
たってお金にならない訳でいつかは売らざるを得ないと云ったところです。
王子さんの情報では、対前年比90%位の出荷量を考えているようです。
しかしもう一方、今年度上半期の各工場の機械メンテナンス計画もしっかり
通達してきました。2.3週間から1月休むところもあり、今ある機械を少
しでも長く使えるように細かな修理をしながら紙を作って行こうという姿勢
が見えます。パルプ製造器をすべて入れ替えると数百億から千億円単位の資
金が必要なようです。ボイラーなどは100億から200億かかるようです。
各製紙メーカー30年から40年前の古い設備を使っています。ここが本当
に岐路に立たされている処で、ご多分に漏れず製紙メーカーは慢性的な人手
不足。おまけに我々、紙関係の印刷、製本と同じように若い人の応募が少な
い状態となっています。会社として生き残って行くためには、此処で無理を
するよりは老逐化した設備を整理して生産力の高い処に資金と人員を集約す
る方向へ舵を切ったと云えます。どっちが先なのかは判りませんが、ある意
味いろんなものが淘汰されて行くのでしょう?紙の種類、印刷屋の数、印刷
物のアイテムなど絞り込まれていくと思います。だけど朝の新聞折り込みチ
ラシは、増えているのですけどね。ネットやウエブ、SNSの広告が軒並み不
調になり始めているせいだと思います。キャッシュレス化はまだ、先進国で
はドイツと並んで最低レベル。ドイツの方が下なのですが、此処が面白い処。
手痛く騙された二つの国民、おいそれとは踊りはしないような気もします。
紙が無いのに紙は人気となると何が起きるかと云うと印刷屋の復活なんです
ね、と上手く行くかどうかは、行く末を御覧じ下さいませ。