白と黒

白と黒、囲碁の事では無いです。赤と黒はスタンダール。赤と白は運動会

又は紅白歌合戦。白と黒と云えば、昭和のオヤジは、白黒ショー。米国で

は白人対黒人という対立が先鋭化し始めています。先日写真家の方が埼玉

の研究所に行ったからと云って帰りに立ち寄って呉れました。超黒の塗料

を使って何か考えておいでの様です。ペンタブラックの10倍、光の吸収

率は99.995%。少し前、現代アートの方がその塗料を使ってパフォ

ーマンスをされていました。床に丸くその塗料を塗ると落とし穴と錯覚し

ます。超黒の塗料を塗った箱を作ってもパッと見には平面にしか見えませ

ん。黒い紙で一番光の吸収率が高い物は、「NTラシャ 漆黒」です。他

の黒とは、レベルが違います。しかしこの塗料を使用するともっと凄い黒

が出て来るでしょう。本を置いただけでそこにブラックホールが存在する

ように。ごく最近超白の塗料も開発されました。命中した光子の95.5

%を反射すると云います。太陽光を反射するので照らされた物体が蓄温し

無い。冷たいままを保ちます。温暖化対策に、都市の建物のホワイト化と

云うのは必須となるように思います。良く描かれる未来世界が白一色と云

うのは何と無く、唯色が塗っていない無色透明と云う過程を画いているの

かと思っていましたが、あながちそうでも無いのかも知れません。超純白

塗料は色々な大きさの炭酸カルシューム粒子で構成されており、それぞれ

波長の違う太陽光を効果的に散乱するので反射率が上がります。白い用紙

にも炭酸カルシュームは塗ってあります。炭カルと略して呼んでおります

が時々、ブランケットに残って悪さをします。一番青白い紙と云えば五条

製紙のハイマッキンレーシリーズですね。王子さんのウルトラアクアサテ

ンも青白いです。しかし炭カルが強すぎて時々不可解な事故が発生する事

が在ります。黄味がかった白が温かいイメージと云うのは、ただイメージ

として持っていましたが実際に温度は高いのですね。白と黒、白は清潔で

清らかで不純物の少なさを感じさせ、黒はダークで暗くてあらゆる要素を

包摂する全体性をイメージさせますが、温度として温かいのは黒なのです

ね。排他性と含有性と云う機軸で比べるとあらゆるものを飲み込むブラッ

クホールと云う言い方をするとウワバミみたいですが、包み込むと云う

見方も在ります。不良少年が黒着たがるのは判らないでもない。全身で

求めている、受け入れる事も受け入られる事も。