紙とコンテンツ

本の装幀、内容に合った用紙、コンテンツを凌駕する用紙のインパクト。 印刷物を作る際、皆様頭を痛める最初のハードルは、やはり用紙の事では、無いでしょうか? その日出掛ける際、どんな服を着て行くか、行き先、会う相手、空模様、寒さ厚さ、目的の達成も含めて、総合判断し乍らその日の服を決めている筈です。 印刷物も全く同じで、最終的に印刷物の内容が、確実に、手にしてくれた相手に届く事を目的として、装幀用紙形状と決められて行きます。

書店や図書館で、印刷された用紙を手にされる事は多々日常的にお有りの事だと思いますが、紙に用紙名が印刷されていないので、 用紙の名前は、ほとんど一般の方は、ご存じ無い事と思います。有名建築や日本家屋等を見学して判らないのは、やはり、素材などで、 こちらは、大工さんしか知らない事ですし、その効用、値段等も、あまりに専門的故、我々一般の者には、伺い知れぬところであります。 ネット印刷の興隆により、紙見本帳等が、無料で配布されていますので、用紙名などは、知り得る情報として、その手触りと合せて、 周知の所となって参りましたが、その用紙に関する印刷結果につきましては、やはり、印刷をしてみないと、私共本業の者でも、おいそれとは、判りません。 綺麗なだけで言い分けでも無く、そのコンテンツに合った、印刷仕上りであるところが、肝要と考えます。

コンシェルジュとしての、私の強みは、オペレーターとしての印刷経験が、20年ぐらいある事。デザイン会社の下請けとして、ありとあらゆる、用紙と印刷方法を経験して来た事。 写真集、美術書を見る事が好きで、印刷屋の目で、それらの書物に数多く目を通している事。新しい時代の表現、方法を常に模索し続けている事。等々。 刷れて、喋れて、新しいカタチをアドバイスできる、印刷屋。これが、アタシの自慢です。 これは、本来デザイナーの仕事ですので、印刷屋の分として弁え、聞かれないと、お答えしません。 でも、お尋ね頂ければ、アイデアは、いくらでもお話しします。どうぞお気軽にお尋ね下さい。ただ、本等の内容をご開示頂かないとアドバイスはできません。 用紙等によっては、データの作成も変えなければいけません。アート紙に刷る場合と嵩高用紙に刷る場合では、画像データの仕上げ方が違います。