箔押し

箔押し、読んで字の如く箔を押す加工の事を言います。 箔は金箔、銀箔、色メタリック箔、ホログラム箔、パールなど、各メーカーごとにさまざまな箔があります。 金箔にも赤金青金中金、銀にもツヤありツヤなし、それぞれ色目の違い等、色々とあります。 箔押しは、アルミ蒸着させて本物の金属光沢を出しているので、とてもピカピカで、インキの金銀に較べると光沢度が大きく違います。

箔押しの金額は、まず面積によります。 一回押す面積が大きければ大きい程、金額は上がって行きます。 箔押しのデータは、ブラック1色版で作製します。 次にそのデータを製版に出して、トツポジ又はトツネガフィルムにします。 そのフィルムを凸版の製版屋に持ち込みます。 箔押しを押す素材、紙、クロス、押す文字の大きさ細かさによって、樹脂版、銅版、亜鉛版を使い分けます。 布クロスの文字が小さい場合は亜鉛凸を使います。 亜鉛凸が一番高価で、綺麗に箔押しが出来ますが、現在、亜鉛凸版は製造販売が行われていないので、それぞれの製版屋さんが持っている在庫が無くなると終りとなる凸版です。

凸版の製版屋さんでは、エンボス加工、デボス加工の浮き上げの版も作ります。又は、OKフロートなど、熱処理によって凹む素材の型も作ります。 大体その流れで、箔押し屋さんが持っている機械で、出来るのは、箔押し、エンボスデボス加工、パチカ、OKフロート等で行う加熱型押し加工等。 これらを組み合わせて、箔押しとエンボス加工等が一か所で出来ます。

箔押しやエンボスの加工表現の限界はどこかと申しますと、やはり加工する素材によります。 極端に小さな文字や線は、出ない場合がありますし、エンボス等は通常、凸版と凹版の2つの版型を使いますが、やはり素材によっては、銅版、亜鉛版を使います。 箔押し、エンボスが活きる素材、もったいない素材、さまざまに長所短所があります。 たとえば、アートポスト220Kの紙に印刷したロゴマーク。そこだけ浮き上げエンボス加工というのは、もったいないです。 浮き上げエンボス加工というのは、無地の白地の中にそこだけ、イメージデザインを浮き上げる事によって光と影の妙でさりげない和やかさを愛でるものです。 浮き上げのところだけ印刷してしまうと目立たなくなります。