印刷職人 現場の目利き

ツインリング製本

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カレンダーやノートなどで良く目にする製本でリング製本が有ります。主に2

種類。紙の端に明けたドンコ穴に一本の針金を螺旋状に巻き付けて行くのがス

パイラルリング製本。もう一つが2本のC状態になったリングの繋がりをやはり

紙の端のドンコ穴にセットしてプレスしてCを閉じたのがツインリング製本です。

よく開くのとめくり易い事で手帳やカレンダーでの利用が多い物です。スパイラ

ルリング製本は、しっかりと綴じられるので頑丈ですが一本一本手作業で時間が

掛かるので料金の値上がりとともに需要は減っています。また専門業者も少なく

なっています。主流はツインリング製本。ツインリングのカラーは全部で17色。

イニュニックはツインリング機を2台所有。少部数に限って社内で製本を行って

います。部数が多くなると外注です。径も本の厚さによって変わります。上の写

真の一番下の物は国内最大級のツインリング。直径36mm。ご依頼が有ったとき

在庫が中国にしか無かったので取り寄せて造りました。この大きなツインリング

をプレスできる会社も流山にしか無かったので探し出して外注に出しました。

この本は在る写真家の方のご注文でした。本文92ページ、大きくて重たい本を

作って欲しいと云うご要望です。50冊でご予算は殆んどありませんでした。金

額云ったら吃驚するような額です。上製本のボールを鉛にしたら重たい本は出来

ますが、お金が全然足りない。その前に私は、その方の写真を視ていました。吃

驚するような写真でした。とにかく作らねばと云う気持ちになってしまいました。

サイズは300mm×300mm。本文紙はマニラボールの0.4mmを46枚。表紙は、

1.3mmの同系色のチップボール。重さ2キロの本になりました。写真の内容に東

南アジアが係わっていたのでマニラボールを使いました。材料が出そろった時にこ

れを綴じることが出来るのはツインリングしかありませんでした。このマニラボー

ルやチップボールに印刷することは出来ません。本文はミラーコートにオンデマン

ドで印刷して、写真家の方に自ら貼って頂きました。表紙は箔押し。完成まで3か

月かかりました。ニューヨークに送って写真展で二日で完売。

2015年のオランダのフォーム・ポール・ハフ・アワードで満場一致で新人賞を受賞

されました。ツインリングだっていけるのです。