樹脂版、銅版、亜鉛版、マグネシューム版
所謂活版と云うモノは、樹脂版、銅版、亜鉛版、マグネシューム版の
四つに加えて活字と云うモノが有ります。活字は一文字づつ組んで活
版活字で印刷する、活版印刷の事です。活版は、箔押しと活版印刷で
使います。樹脂版が一番安くて表現も細かいですがこれは活版印刷に
しか使いません。活版印刷をご希望のお客様は紙がしっかり凹む事を
ご要望なので、少し心もとない版ではあります。活字も目一杯の力を
かけると歪みます。箔押しにしても活版にしてもメインで使われるの
は亜鉛版でしょうか?亜鉛版には、厚さ1mm、1.5mm、3mmが
あります。1mmは活版や紙に箔押しする場合に使います。1.5mmは
紙にエンボスやデボスを施す場合に使います。ハードカバーのチップ
ボールを包んだ紙に箔押しをする場合も1.5mmです。3mm厚は、
ハードカバーの場合の布クロス仕上の時に使います。マグネシュームは
とても固いのでしっかり凹ませる場合にはこの版を使います。データか
らポジフィルムを起してそれぞれの版に乗せて上から光をあてます。
光が中った処と中らなかった処で腐食液の中でそれぞれ反応して溶けた
ところが凹んで解けなかったところが版になります。亜鉛版は国内メー
カーでは、すでに製造している処は無く、輸入商品です。外国製になっ
て網点の細かい表現が出来なくなったと製版やさんは云います。
版の金額は、面積で計算します。A4サイズの亜鉛版でフィルム代込みで
約18,000円。A4サイズの箔押しをすると枚数に寄りますが途轍もない金
額になります。箔押しの機械はその様な大きなサイズを想定して居ない
のでむらになったり力が均等に入らなせいで様々な不具合が発生します。
単純に何メートルの箔押しのロール代と押し代にならない別途の技術代
が必要になります。突飛な本を作ることで有名な名人がカップスターの
本を企画されました。昔のカップスターはカップの周りが波打っていま
す。今回のA5の本の表紙もカップスターの様に波打たせて欲しいと無理
を仰います。A4サイズより少し大きなオス版とメス版の亜鉛版を作って
頼みました。さっき、様子を見に行ったら、箔押し屋さん見事に眉毛八の
字にして「上手くいかねぇんだよ」とトホホな感じです。