小口の加工

小口の加工で良く目にするのが、聖書や昔の辞書などにある、【三方金】でしょうか?銀もあります。高級感の演出もありますが紙を保護する役目もあります。 手作業の本金仕上げとアルミ蒸着のホイルを機械加工する方法があります。手帳に三方金と云うのも良く目にします。やはりね、金ぴかに囲まれたお言葉と云うのは、それは重みがあります。手帳に書き込まれた人生が尊いものに見えてくる。自分の振る舞いや受け入れる言葉が軽いとそれなりのモノにしか見えませんが、一つ一つに重さを加えると大した人生じゃなくても大したものに見えてくる、やはりそう云うの大切です。自尊感情が無くっちゃね。金ぴかじゃないけど、色を付けるというのもあります。三方断裁した小口に染料で色を付けるという方法。本文と表紙に染料が少し(0.5mm位)染み込みます。表紙への染み込みを防ぐためにPP加工は必須条件です。周りをビニールで覆った場所でエアブラシにて染料を吹き付けて行きます。あまり大きいものは色むらが出る為断られます。B6、A5位まで厚さも10mmから50mm位まで。とてもアナログな手作業でエアブラシでシューとやって色ムラでないようにまたシューとやって終り。ムラヤ再現性はある程度、許容が必要です。専門業者に頼むと基本料金だけでとても高価なので、イニュニックの場合、少部数でしたら社長がやります。嬉々としてやっています。水性スプレー缶を買って来て、本を重ねて上から重しを置いて斑にならない様に少しずつ。小口三方色付けというのを書いてきましたが、もう一つ絵柄を印刷と云うのもあります。辞書の見出しやイメージを単色で印刷します。パッド印刷と云います。凹判印刷で立体物にインキを転写して印刷します。あまり細かい絵柄は印刷できませんし、色ムラも起きます。正確に言うと小口の絵柄ではありませんが、小口全体をずらすと絵柄が浮き出てくるという飾り付けもあります。これはページレイアウトで、一つの絵柄を紙の枚数分に0.3mmずつカットしたものを用意します。0.3mmに前後に0.3mmずつ絵柄を重複させます。約1mmの細い絵柄出来ます。これを全ページに張り付けていきます。コグチにもこの絵柄は細くなった状態で見る事が出来ます。本を開かないで小口を少しずらすと絵柄が浮き出ます。小口部分天や地には出来ません。横尾忠則さんの装幀で柴田連三郎の「うろつき夜太」では色んな実験が成された造本でしたが、この小口ずらし絵と云うのはとても印象的でした。当時はフイルムの時代であの細さにページごと切って行くのです。おまけに折り製本ですので絵柄がずれます。難しかっただろうなと思います。今ではイラレでサクサクと貼り付けて、オンデマンド印刷で順番に印刷して行けば、簡単にできてしまいます。どうぞお試しください。