【オートンとビク抜き】
紙に型で穴を空ける抜き加工には自動平盤打抜き機のオートンと手動打抜き機の
ビク抜きの2種類があります。正確には現在主流になり始めているレーザー加工
機も有ります。こちらはレーザーで紙を直接焼切る方法と切刃を自在に動かして
切って行く(カッティングプロッタ)方法と2種類あります。一枚一枚に時間が
掛かるので大量生産品には適さないですが、少部数のモノや複雑な形(鋏で切る
大道芸の切り紙や影絵)では、こちらが適していますが、今回は従来のトムソン
型による抜き加工での説明をします。トムソン型はベニヤ板に溝筋を空けてそこ
に切刃、折り刃、ミシン刃、丸穴、波罫刃を埋め込んで一枚の大きな型刃を作り
ます。箱の展開型だったり切り絵、穴あけなど、紙を一枚一枚抜いて行くのは、
トムソン型です。自動平盤打抜き機の機械名をオートン、元活版印刷機のビクト
リアを抜きに使うのでビク抜き。オートンは自動、ビクは手動。少部数で良く使
われるのがビク抜きです。基本一枚づつですが封筒など薄紙の場合は、10枚ぐ
らいいっぺんに抜いてしまう場合もあります。トムソン型のほかに腐食刃、ブッ
シュ抜型、ポンス抜き等抜く物によって型と方法が違います。腐食刃はとても細
かい切刃が出来ます。桜の花びらや影絵のような細かい物はこちら。ブッシュ型
は分厚い物動物型のようなメモ帖や並製の本の小口を何かの形にしたい時にブッ
シュ型、ポンス抜き型を使います。トムソン型は6,000円ぐらいから出来るのです
がブッシュ型などは最低4・5万円からとなります。型の大きさや複雑さで金額
は変わってきます。イニュニックは写真集などを作っているので作家さんの写真
を使ってジグソーパズルを造りたいなと考えているのですが、需要がどれくらい
あるのか判らないので企画止まりになっています。