【ガンダレ表紙、雁垂れ製本】
雁垂れ、小口折り製本、ガンダレ製本、長い表紙を小口で内側に折って
造ります。漢字部首の雁垂れに見えるのでそのように言います。同人誌
系業界では、フランス表紙と云う云い方をするみたいですが、一般的に
はガンダレ製本です。背中の形状は並製本です。表紙を倍の長さにして
ノド元ギリギリの処で切り小口は本文より1mm位長いところで折ります。
本文と表紙の接着は、ノドと反対の所の小口は仕上げてから行う必要が
あります。ガンダレ表紙をカバーの様に喉元から離して短く造る場合が
ありますが紙の種類によっては、背の天地が紙剥けを起こします。ファ
ンシー系の柔らかい紙の場合特に出やすい事故です。大体表紙は0.3mm
から0.4mm位の厚さの紙を使いますが天地の小口を仕上げるとき二重に
折った処の厚さとノド側の表紙が一枚ずつしか入っていない処の段差が
0.6mmから0.8mm位出る訳です。そのような浮いた状態で断裁すると
紙が剥けます。それから本の束をしっかり計ってから折り目を入れない
とガンダレ表紙の長さをコントロールできません。長すぎたり短すぎた
り。ガンダレ表紙が出来る本のサイズは、縦本でしたらA4、B5、A5、B6
A6まで。横本でしたらA5、B6、A6までです。A4とB5に関しましては、
297×4枚分+本の束分となりますと1200mmのサイズが必要です。こ
のサイズの紙で表紙に使えるような紙は無いので実際は製作不可能です。
また、通常動いている印刷機は菊全判が多いので4/6全や倍判の印刷機
となりますと印刷代がとても高くなります。B5の横本となりますと紙は
何とか手に入ります。4/6判の横目のファンシー系の紙はごろごろあり
ますがここでも4/6全判のオフセット印刷と云うハードルがあります。
だけど10,000部位造るのだとしたらそこは楽々乗り越えられる所だと思
います。B5の横本のガンダレ表紙が出来るパターンが有ります。少部数
のオンデマンド冊子です。イニュニックのオンデマンド機には最高1200
mmまで印刷できる機械が有ります。4/6判の紙を細長く4才に切って
オンデマンド印刷機で印刷します。ガンダレを平らに伸ばすと約1020m
mの長絵巻が出現します。中面にも印刷したら合計2メートルの印刷面
積が出来上がる訳でこれはインパクトのある絵表紙になりますね。上記
のような制約でB5横ガンダレ表紙はまだほとんど見たことが無いデザイ
ンです。スマホでは表現できない紙の世界、雁垂れ製本お奨めですね。