【エンボス加工とデボス加工】
用紙に凸凹模様を付けることをエンボス又はデボスと云います。エンボス
加工は、用紙の裏から型で押して絵柄やフォントを浮上げます。上に浮き
上がるのがエンボス。オス型とメス型の両方作ってしっかり浮上げるやり
方とオス型だけで浮き上がらせるやり方とがあります。型は樹脂版、銅版、
マグネシウム版亜鉛版が有りますが、エッジがしっかり効いて浮き上がり
がしっかり見えるのは金型で、樹脂版を使う事は余りありません。エンボ
ス加工の浮き上がりは0.3mm前後です。用紙そのものが0.3mmから0.5mm
程度ですので、用紙の厚みを超えるほど浮き出るという事は、基本的にござ
いません。0.3mmしか浮き上がっていなくて、尚且つ浮き上がっている感じ
を際立たせるには、用紙の選択が重要です。浮き上がっている感じが見える
のは光の当たり方で、光に対して直角だとあまり目立ちませんが角度を変え
ると浮き上がりが見えます。つまり重要なのは、角のエッジです。アートポ
ストなどの硬質な紙は、角が立つので、影が出やすく浮き上がりは目立ちま
す。柔らかい紙は角が出にくいので目立ちが抑えられます。繊細で微細な模
様をエンボスで浮き上がらせる場合は、硬い凸凹の少ない用紙を使うと効果
的です。浮上げが目立たないと云ってエンボス部分に印刷で色を付けるとい
うのは、もったいない事です。エンボスの効果が無くなります。こんなこと
がありました。若い人に渡す冊子の表紙でした。あなたご自身でこの会社に
色を付けてほしいという想いでタイトルをエンボスにしました。試作品を作
って役員会議に諮ったところ、高齢の方々は目立たないからとエンボス部分
に印刷するようにとお達しがありました。そのような形で最終的に納品され
ました。残念だなと思いました。色んな意味で。さて、デボスです。デボス
は凹ませる方です。ダウナーな感じですが使い方によっては中々どうしてか
っこ良いです。上製本ではエンボスが出来ないので全てデボスです。一回実
験したことが有ります。チップボールに貼る前の用紙にエンボス加工しまし
たが、表紙貼りの段階で半分ぐらい元に戻ってしまい出っ張り感がほとんど
なくなってしまいました。上製本でデボスと云うと四角く凹ませてそこに写
真を貼るというもの布クロスなどで良くあります。箔押しでマグネシウム型
で目一杯、押すと云う手もあります。ほとんど限界の3トンぐらいで。結構
凹んだ感じと箔の色合いでかっこよく見えます。デボスではありませんが、
やはり凹ませるという手段で用紙を使う事があります。パチカとOKフロート
は熱した金型で数秒押さえつけると紙自体で凸凹が出ます。そういう用途で
作られた用紙です。紙が高価ですので中々使えませんが、嵌れば目立ちます。
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