【表紙は本の顔】
装幀と表紙、本のデザインは、そこが一番大事だと思います。手に取って貰えるか
どうかは、全てそこに掛かっています。有名な作家の方は名前で手に取って貰えま
す。名もなきこれからの方は、タイトルと表紙のデザイン、そして装幀が大事です。
写真家の方で初めて写真集を造る方などには、この本の中の写真で3番目に入るお
気に入りを表紙に持って来るべきだと云います。そこに写真家の表現のエッセンス
が表れているからです。タイトルは、世界観です。感応のヒント、共振のヒント、
自分の中のモヤモヤを具体化させるために我々は、作品集に手を伸ばします。です
からタイトルはなるべく在った方が良いです。判りやすく。装幀は凝った物ほど、
そして美しい物ほど手に取って貰えます。美しく凝れば値段は上がります。凝らな
いで美しい物を目指すべきでしょうね。デザインが重要になってきます。我々の視
線で一番多くの対象になるのが人間です。人間の中でも特に顔、そして眼です。顔
は、脳の戦略を具体化した物なので、どの様な事を意識しているのか想像できます。
眼は心を表しているので害のある人か無い人かが判ります。人が写っていたり顔が
写っていたり、又は描いてある表紙は手に取られやすいです。造形又は、装幀で惹
きつけるやり方もあります。まだあまり見ない造形や紙、素材。木や鉄は、あまり
扱う人がいませんが、手間がかかる割に美しく纏められない欠点があります。中の
作品に自信がある人ほど、表紙がおざなりになる傾向がありますが、表紙で全てが
決まります。本と云うのは見つけて触って、少し読んで買って、家に帰ってじっく
り時間を掛けたり、跳び跳びで読んだりそれらのひと繋がりの時間を体験すると云
う事だと思います。それらの時間の最初の入り口が表紙になります。実際、私が本
を買う時に見るのは、佇まいとタイトルです。そこさえ佳ければ読まないと云うの
もある位です。