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税込本体価格:2,200円
【本の仕様】
サイズ:W125×H188mm
頁数:本文100P+扉
印刷:オンデマンド
表紙:OKトップコート90K 4C/0C
扉:OKブリザード 69K 4C/0C (W120mm)
本文:オペラホワイトマックス 73K 1C/1C
見返し:NTラシャ オレンジ 100K
加工:表紙ベルベットPP、箔押し
製本:上製本 角背 本文PUR固め 花布・スピンあり
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地層のように肯定を、肯定を積み重ねて
クローゼットに並ぶ服が似合わなくなるみたいに、自分が誰だったのか分からなくなった春。陽射しのなかで、誰かの背景になっていた夏。やさしさが遠ざかるほど美しくなる秋。唇に光が溜まり切るまで、地層のように肯定を積み重ねた冬。 忘れてしまった顔を思い出すための詩集。
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【推薦文】
そっと日常を撫でるような言葉だ。虚栄心や尊大さからは程遠い、静穏な心。物事の真理を見つめ、日常のあわいに見え隠れする、深い孤独や命の終わりのような事象からも目をそらさない。それが四塚さんの詩だ。「いつか、/私を/棺へ入れるとき/人差し指には/ガーネットの指輪をはめて/そして/傘をひとつ持たせてほしい」(「定点」、第一詩集『定点』)。
今作も、優しく、温かい音の連なりに満ちている。しかし、若さが生の現実に衝突する瞬間に、錯綜するまま形を与えられたような言葉も中には見られる。「清潔な台所で/すこし、腐らせてしまった/果物/やさしくなれない/半分ずつ食べて/やっぱり/吐き出す。我慢できずに」(「顔を忘れる」)
『定点』の魅力はそのままに、静穏さの奥に眠っていた、激しい音が聞こえる。「一番似合う服を着る」ことを目指す指標の一つにしたと聞けば、そんな表現を残したような作品の存在にも合点がいく。
詩人は、内に秘めたものを放電した。この本には火花が散り、光が漏れ出ている。「長い、長い手紙を書く/予定のない/春がこれから訪れる」(「包路線」)----不確かな季節を言葉で乗り越える。四塚さんの光はまぶしい。 今枝孝之/SLOW WAVES主催
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著者:四塚麻衣
装画:ちなみ
装丁:飯村大樹
協力:小林うみ H.K
発行日:2025年7月12日