【オンデマンド印刷が出来るユポ 】
ユポは、(株)ユポ・コーポレーションが造っている石油系の合成紙
ポリプロピレンで出来ています。他のメーカーから出している物では
ピーチコート、レボ、ウエブロンカラーなどが有ります。全てに共通
しているのが、一見紙の様に見えますがプラスチックに似た感じです
ので撥水性が有り、紙と比べると耐久性があります。しかも紙に近い
質感ですので印刷が出来ます。(条件付きですが。)ボールペンで書
き込む事も出来ます。ゴルフのスコアカードなどは、ユポで出来てい
る場合が多いです。オフセット印刷では制限があります。乾燥がとて
も遅いので後加工がしにくい所があります。写真などはとてもじゃな
いけど無理でした。今は、UVオフセットが大変普及したので、普通に
ユポのオフセット印刷が出来るようになりました。それからもう一つ
熱にとても弱いという事。静電気にとても弱いという事。オンデマン
ド機は、熱源も使うし静電気も異常に発生するので、ずっとデジタル
印刷、オンデマンド機では印刷できませんでした。ユポコーポレーシ
ョンは、オンデマンドプロダクトメーカーのリコーと共同開発してこ
の度オンデマンド印刷できるユポを開発しました。(2018.5.20)
これは世界初となっています。従来より印刷会社からの要望はとても
強くありました。ポップ、ポスター、メニューなど少部数でニーズの
高いアイテムは沢山あります。また、防水用のパウチやラミネートは
必要ありません。特に短期で少部数の選挙ポスターなどは、長く待た
れた物です。現時点での大きさは、460mm×320mmに限られている
ので長尺などでは使えませんが、「水に強いという」と云うキーワー
ドでは、用途は大きく膨らんでいくでしょう?厚みは150μから300μ
まで。03mmあれば名刺でも使えますね。業界が本当に待ち望んでい
た商品です。
【バリアブル(可変)印刷】
オンデマンド印刷でバリアブル印刷、可変印刷といった表記を目にされる事がおありだと思います。 このバリアブル印刷とは、番号や名前など、共通印刷の中の一部を変え乍ら一枚づつ違う物を印刷する事を言います。 たとえば、ハガキの宛名、郵便番号、住所、名前の印刷等を1,000枚印刷したりする事を言います。
シリアルナンバー、ビンゴカード、スクラッチカード等、全体の共通部分とは別に一部だけ個人に特化した情報を入れる事により、 その印刷物は不特定多数のユーザーではなく、個人ユーザーに必要な印刷物として、利用する事が出来ます。所謂ワントゥワンマーケティングが可能になります。 もうすぐ始まる、マイナンバー制度なども、国が行う情報漏洩防止対策とは別に一般企業が行う情報漏洩防止対策として、バーコード情報にして、拡散を防ぐ対策もとられています。 番号や記号、住所氏名は、エクセルデータでほとんど作成する事は可能ですが、バーコードや画像可変となりますと、専用のソフトが必要です。 弊社では、モリサワのバリアブルソフト、MVP7プロフェッショナルエディションを使用しています。 イメージバリアブル、ジャンコード、物流シンボル、ITFNW-7、コード39、コード128、郵便カスタマ、QRコード。ほとんどのバーコードに対応しております。
オンデマンド印刷の可能性とは、元々、こちらのバリアブル印刷の事を主題としておりました。 オンデマンド印刷をほしい時にほしいだけ即座にと言う意味合いで、カラーの少部数対応を第一義の利用という仕方が一般的ですが、 それだけでは無い利用方法が、このバリアブル印刷となります。ただ、個人情報保護法に抵触しない形でのお客様情報の収集など、問題が少々有りまして、中々普及に至らない現状があります。 ネットリスティング広告も利用者の検索データの収集分析を利用していますが、概ね反感を持って認識されており、ワントゥワンマーケティングの難しさを表しています。
バリアブル印刷の主な利用実績としましては、マラソン大会のゼッケン、完走証、ビンゴゲームカード、年賀状の宛名印刷、お客様カードのID番号、 チラシクーポンの当選番号、試験問題集の名前のバーコード化、封筒の宛名印刷、賞状、辞令、社員証、チケット、名簿冊子のシリアルナンバー等があります。
【個人情報とビッグデータ】
オンデマンド印刷の強みは、少部数が安い、すぐに出来上がる、無駄な量
を作る必要が無いなど、コンパクトなプリンターで在るゆえの利点はいろ
いろとあります。しかし、オンデマンド印刷の一番の利点、活用方法は、
やはりワンツーワンマーケティング、一個人だけに対してのその人に特化
したオリジナルプレゼンテーションが可能であるという事です。個人に特
化したオリジナルパンフレットの送付によりターゲットに対してより訴求
効果の高いプレゼンが出来ます。バリアブルソフトで個人に特化したサー
ビス、住所、宛名等を印刷物に入れる事によってより効果的な販売戦略と
なります。個人情報保護法の改正が有り、個人が特定されないビッグデー
タは、大いに活用しても構わないという制度が始まりました。しかし、取
得した時点でその個人情報は全て個人が特定できる状態になっています。
取得した企業の恣意的な判断基準と運用基準でいか様にも個人情報が使え
る事になります。その線引きがどこまで出来ているのかがとても大切なと
ころです。プライバシーマークは、個人情報を適切に扱う企業に対して与
えられるマークですが、どのあたりに住んでいるか、どの様なものが好き
かは、個人が特定されないにしても重要な個人情報です。オンデマンド印
刷のワンツーワンマーケティングも、個人情報を利用するサービスです。
何らかの形で知り得た情報を使って行うサービスですから。現在のネット
とスマフォの時代では、パソコンのIPアドレスで個人は特定されます。
勿論スマフォでは電話番号で個人の住所、氏名全て特定されていて、全て
個人の営みの記録は蓄積保存されていきます。このような時代の個人情報
とは何でしょうか?メールを覗かれてGPSで追跡されるとプライバシー
は無くなります。オンデマンド印刷のバリアブル、ワンツーワンマーケテ
ィング、儚く消え去った幻です。
【黒い紙の印刷(その2)】
黒い紙に印刷する方法としましては、まず初めにホワイトインキでオフセ
ット印刷で刷る方法が有ります。これはあまりお勧めできない方法です。
白インキの濃度が弱いのとオフセットは水を使うので下地の黒を完ぺきに
消すことが出来ないため、下地が透けて黒っぽさが少し見えます。イニュ
ニックではその辺を考えてホワイト印刷の場合はUV印刷で2度刷りした
りします。2度3度重ねて刷っても下地の黒を完ぺきに消すことは出来ま
せん。それらに比べてもう少しましなのが、オンデマンド印刷のホワイト
トナーです。こちらはトナーですのでもう少し白いです。黒い紙にオフセ
ット印刷では、白単色だけでは無く、シルバーの印刷、ゴールドの印刷も
それなりに文字を読むことが出来ます。それから、下地に白印刷してその
上にカラー印刷と云う方法もあります。夜の写真で紙の地色の黒を背景に
してその上に白印刷してカラーの黒成分を失くして印刷するという方法も
あります。カラーの黒成分を失くした状態の同じ画像ベタでホワイトデータ
を作ればカラー画像の下地だけにホワイトが有るので夜の闇と薄ボンヤリ観
える夜の景色がそれなりにかっこよく表現できます。オフセット、オンデマ
ンド以外で黒の紙となりますと普通は箔押しが一般的です。銀箔、白箔、金
箔、色箔、黒箔でもそれなりにかっこ良いです。それからデボス加工、エン
ボス加工。この辺はわざと見えづらくしてシックな表現ですね。黒い紙に
何も印刷しなくて型刃で抜いて本文の扉のタイトルを見せるというデザイ
ンもあります。シルク印刷は、水を使わないので白などを印刷してもオフ
セットよりは濃く印刷できますが、それでも少し下地が透けます。あと金
額が高いので需要が減っていて廃業する人も多く出ています。バーコ印刷
は、黒い紙との表現でなかなか難しくはありますが、インキが光って厚盛
りになるのでそれなりに読めます。そしてニス印刷。ニス印刷はクリアニ
スと厚盛りニスと2種類あります。油成分のニスを黒の上に引く事によっ
てその部分だけ光るので他の加工との組み合わせで効果的なデザインにな
ります。またニス加工に関しましてはオンデマンドでニストナーが有りま
す。こちらを使う事によって白、ニス、カラーなどで多彩な広がりを生む
デザイン加工が出来ると思います。