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[著者]
聶 澤文
デザイン:何 寛
翻訳:孫 正博・鄒 昊澍
発行所:SPRING GALLERY
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[サイズ] : B4横
[項数] : 48項
[製本] : 無線綴じ
詳しい印刷・製本仕様はこちら→
PTUHKI 24E30M(香港デモ写真集)|PRINT BINDING|株式会社イニュニック (inuuniq.co.jp)
「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2020」にて、
「PTUHKI 24E30M」の作品シリーズがグランプリを受賞しました。
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<後記>
2019年8月20日と11月8日の2回にわたり香港にて撮影を行った。
1回目の撮影は露出に時間がかかるので、一か所に三脚を立てて数十分撮ることが多かった。その間、行進するデモ隊を眺め、スローガンを聞き、第三者の視点から観察した。
2回目の撮影はカメラを持ってデモ隊の中を歩くことが多かったので、写真を撮ること自体はメインではなくなっていた。催涙弾、ゴム弾、コショウ弾、放水砲などの警察装備の威力を体感した。
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「PTUHKI 24E30M」というタイトルは、警察官がつけるIDナンバーをモチーフにしている 。
2020年頭頃、香港警察がバッジの着用を始めたとニュースで報じられた。バッジのIDナンバーを見たとき、それをテーマにすることに決めた。
「個人のアイデンティティとは何か」という問いが、この事件の重要なポイントになるからだ。
デモ参加者は顔を隠し、警察も勤務中に自分のIDナンバーを提示しないことが多かった。デモ進行中、カメラで人々の様子を記録する警察の特殊捜査官もいるという。これは明らかに、後日になって証拠として使うためだろう。
ところがデモ側にとっても、デモ参加者が逮捕された場合、誰が、何人が逮捕されたのかを知るために、公表された顔写真に頼らなければならない。
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それから2年がたって振り返ってみると、このランダムな記号が個々の人に、どのような意味を持つのか、またそれぞれの個人が自己をどのように定義しているのか、色々と考えさせられる。
結局多くの香港人が国外脱出するのがオチになるが、私としては自ら香港に踏み入れたことで、自分の育った環境や、子供の頃に受けた愛国主義教育を見直すいい機会になった。
なぜネット上でも現実でも、まったく関わりのない人間(例えば中国人と香港人)がそんなに争うのか考えてみた。それは受けた教育やイデオロギーの違いが最も大きな原因の一つではないか。
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<著者紹介>
聶 澤文/ネ タクブン
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