【こ】から始まる用語一覧

校正

測定器の目盛りを正しい状態に調整すること、ゼロ点調整を行うことなどを校正(calibration)と呼びますが、印刷業界では原稿と校正刷りしたものとを照合して誤りがないかを調べて正すことを校正(proofreading)と呼びます。


現在では、原稿データを確認して不備がないかを修正・確認する作業のことや、注文の仕上がりイメージを確認するために仮刷りされた印刷物のことも校正と呼んだりしています。


校正と似た言葉に校閲というものがあります。
校正とは、文字や文章を照らし合わせて誤りを正す作業のことを言い
校閲とは、言葉や単語の意味や使い方の誤りを正すことを言います。


筆者の経験からの感想になりますが、文章の校正は難しいです。
人間の脳は優秀なもので、多少文字の間違いがあっても脳が勝手にその間違いを補完して文章を読めるようにしてくれるためです。
校閲の方は文章を読んでいて間違っている箇所で違和感を感じることができるので発見は校正に比べ容易ではあります。が、根本的に語彙力・言葉の知識が豊富でないとその違和感を感じることが出来ません。
結論。両方共、知識と経験が必要な難しい作業です。


校正紙

校正をするための刷り物。
データ入稿の場合、お客様が確認されたプリントアウト出力紙が校正紙にあたります。

校了

校正が終了した状態。
校了になった校正紙を校了紙と言います。

コート紙

組版や製版に誤りがないか確認する作業。
校正紙そのものを指すこともあります。

小口

本の背(ノド)を除いた三方を小口と言います。
上の小口を「天」、下の小口を「地」、残った一方を「前小口」と言いますが、一般的には小口と言ったら前小口のみを指すことが多いです。


小口は最終的に断裁するだけの箇所と思われがちですが、この小口に加工を施す製本もあります。
小口の三方を金色に塗る「三方金(小口金)」などは百科事典のような重厚な本で見たこともあるのではないでしょうか。金色に限らず黒の表紙に小口も真っ黒に塗った何処から見ても黒いカタマリのようにしか見えない本のご注文も過去に受けたことがあります。

コピー防止用紙

印刷された情報を無断で、二次使用される事を避ける為の用紙です。
コピーすると、全体にマークが浮き出ます。
役場の印鑑証明等の用紙でよく使われています。

光沢機

平滑な2本のローラー間に製品を通すことで、表面に光沢をつけ滑らかにし、厚さを均一に調整する機械のこと。カレンダー機とも言う。


紙だけでなく布や金属など様々な素材でも用いられており、シート状の材料をローラーに通して表面を仕上げる加工全般のことをカレンダー加工と呼んだりもする。

コデックス装

冊子の製本方法のひとつです。


糸綴じした冊子の背中を何もせずあえてそのままの状態で仕立てる製本方式。
糸綴じのため本の開きが良く、本のノド元まで開くため見開きをとてもキレイに見せる事ができます。また、開いた状態を維持することも出来るため、コデックス装で作製された写真集は気に入った写真のページを開いた状態でディスプレイするといったことも出来ます。
冊子を綴じる為に使用する糸が剥き出しで見えるため、この糸の色を赤や青といった色にすることでお洒落な装丁を演出することも出来る、機能美と様式美の両方を兼ね備えた製本方法です。


コデックス装という言葉も知らずに初めてコデックス装の本を見られた方は大抵驚くことかと思います。かくゆう、この記事を書いている私も初めて見た時はただの作りかけ、製本途中の本にしか見えませんでした。
そんな特殊な装丁の本。お客様の中でもコデックス装を希望される方は、それ以外の表紙の用紙や材質、刷色、特殊加工といった点でも製本に強い拘りを持った方が多いように感じます。
知る人ぞ知る、といった感じのコデックス装製本。
興味のある方は是非ご注文してみて下さい。