【あ】から始まる用語一覧
アート紙
印刷用紙の一種で、表面にコート剤を塗布し光沢機に通すことで白色度が高く表面がとても滑らかに仕上げられ印刷適性を高めた塗工紙のこと。
表面に塗られるコート剤は、カオリン・サチンホワイトなどの鉱物性白色顔料、合成ラテックス・ポリビニルアルコールなどの接着剤、さらに補助薬品を混合したものが用いられる。
用途としては主に、美術書・写真集・高級カタログ・パンフレット等の高級印刷用に使用されることが多く、同じアート紙でも、用紙表面の光沢が抑えられて高級感のある「マットアート紙」や、マット紙でありながらインキの載った面だけ光沢を帯びる「ダルアート紙」といった種類のものが存在する。
弊社でも冊子印刷を希望されるお客様には、表紙に使用する用紙としてコート紙よりも印刷が綺麗に仕上がるこちらのアート紙を強くオススメしております。
RGBカラー
R(レッド)G(グリーン)B(ブルー)の略のこと。
RGBは光の三原色と呼ばれ、デジタルカメラ、PCやテレビのディスプレイ等は「RGBカラー」で表現されています。
光の三原色であるRGBに対して、色の三原色であるCMYKカラーも存在します。
印刷工程では、RGBカラーをCMYKカラーに変換して印刷を行いますので、その際、どうしても色味が変わってしまうことがあります。
印刷会社にillustratorやInDesignで作成した原稿を持ち込む際は、最初からCMYKでデータを作成すると無用なトラブルを避けられ印刷会社の人たちにも喜んでもらえます。
ちなみにRGBの三色は混ぜ合わせると白になり、CMYの三色は混ぜ合わせると黒になります。「光の三原色」と「色の三原色」は別物ですのでご注意を。
アウトライン化
Illusttratorなどのイメージ編集ソフトにおいて、文字データを線画に変換する機能をいいます。
印刷データに記載されている文字データにフォントの情報が残っていると、別のパソコンでデータを開いたり、データを編集・変換した際に別のフォントに置き換わってしまうことがあります。
そういったトラブルを防ぐためにも必ず行っておきたい作業です。
文字の輪郭を線画に変換するということは、文字を文字情報としてではなく、文字の形をした図形(オブジェクト情報)に変換する、といったイメージになります。
イメージ編集ソフトを扱う上で必ず使用される機能ではありますが、一般的にはあまり認知されていない言葉ではあるかと思います。
注意点としては、一度アウトライン化してしまうと元の文字情報には戻せません。簡単に文言を削除・挿入したりといったことが出来なくなりますので、必ず一度データを保存してからアウトライン作業を行うようにしましょう。
アウトラインPDF
(株)キャノンが開発したドキュメント処理技術の名称。
印刷業界向けPDF/X-1aより、さらに限定的に特化したもの。
文字データのアウトライン化において、ベクトルデータに変換して圧縮することに特化してあるので、画像データの再生環境(CTP刷版)に依存せずに精細な文字を表示できます。
長所としては、Illustratorを使用することで、文字やグラフィックデータの再利用が可能であること。
より多様な出力環境への対応が可能になったこと。(文字化けなどのトラブルが少なくなります。)
短所は、文字がほんの少し太ること、グラデーションに少し難があることが挙げられます。
赤字
文字校正の際に赤い筆記具を使用していたことから、訂正箇所の総称として使われています。
文字校正作業では、誤字・脱字・欠字などを示すのに校正記号というものを使用します。この校正記号とその使用方法は日本工業規格(JIS規格)で定められている由緒正しいものです。
絶対にこのJIS規格の校正記号を使用しなければいけない、というわけではありませんが、印刷・出版業界で働く方は、簡潔に適切に指示の出せるアイテムとして覚えておいて損はないかもしれません。
アクロバット
アドビシステムズが販売している、PDFファイルを作成、表示するソフトウェアです。
スタンダード版と、プロフェッショナル版があり、文書をPDFファイルとして保存すると、異なったOSの環境でも書式などの体裁を保ったまま表示できます。
網代綴じ
網代綴じ(あじろとじ)と読みまして、印刷物を綴じる方法の一つです。
外見上は無線綴じと変わりませんが、折り丁の背に切り込みを入れ、そこに接着剤が染み込むようになっているため無線綴じよりも強く紙がバラけにくい綴じ方とされています。
しかし、アジロ綴じが無線綴じの完全上位互換かというとそういうわけでもなく、条件によっては無線綴じを選択した方がよいこともあります。
本文の用紙が厚手の場合は、本文の紙がしっかりとコシがある分、本を開いた時に本の背が割れやすくなりますので、紙がバラけにくいアジロ綴じがお勧めです。
本文の用紙がコシのない薄い紙の場合は、折丁の切り込みを入れた部分に接着材を押し込むのが難しくなるため無線綴じの方がお勧めとなります。
無線綴じ、アジロ綴じ、それぞれに得手不得手がありますので、冊子を制作する際には一度、印刷会社の方に相談してみるのが一番です。
アタリ
アタリ罫のこと。
原稿のレイアウトを作成する際に、画像や文章の配置を示すために書かれる枠線のこと。
また、配置する作業自体のことを言ったりします。
もちろん原稿校了の際は削除したり、罫線の線幅を0に設定したりして実際には印刷されないようにします。
アップグレード
ソフトウェアやハードウェアを、より高性能なもの、現状よりも上位の機種にバージョンアップさせることを言います。
反対に古いものや下位の機種のバージョンへと落とすことをダウングレードといいます。
しばしばアップデートと混同されがちではありますが、別の意味合いを持つ言葉です。
昔はPCのOSなどで新しいものが発売されると、パッケージで購入をしてアップグレードを行ったものですが、最近ではアップグレードもネット回線上で行うことが増えてきたため、それがアップデートとアップグレードを混同させる原因になっているのかもしれません。
スマホで言えば、iOSやandoroid OSを更新するのがアップデート。
スマホ自体を新しい機種に買い換えるのがアップグレード。といった認識でよろしいかと思います。
アップデート
アプリケーションソフトのバージョンを、より新しいものに書き換えることをいいます。
アプリケーションソフトは、常に新しくより良いものに日々進化し、更新し続けております。
ソフトウェアの更新の内容は基本的にバグ取り、不具合の解消がメインと言われておりまして、ソフトの機能自体が大幅に変わるようなバージョンアップはたまにしかありませんので、アプリケーションを使用する際は、常に最新のバージョンにアップデートすることをお勧めいたします。
また、ソフトのバージョン表記で「6.0.1」というような数字を誰しも目にしたことがあると思います。
ソフトウェアのアップデートが行われると、この数字が「6.0.2」や「6.1.0」のように上がっていくのですが、この表記にも意味があります。
「6.0.1」を「a.b.c」とした場合、aの数字が上がるとUI(ユーザーインターフェース)の変更やデザインの変更を伴うメジャーアップデート、bの数字が上がると機能が追加されるマイナーアップデート、cの数字が上がるとバグなどの不具合の修正が行われるメンテナンスアップデートが行われるというのが一般的です。
これを知っていると、そのソフトがどの程度のアップデートを行ってきているのか、数字の変化でどの程度の更新が行われるのかが分かったりしてきます。
アドビ
アメリカのカリフォルニア州に本社を置くコンピューター・ソフトウェア会社「Adobe Systems Incorporated」の略称。
1989年に「Photoshop」さらには「Acrobat・PDF」を開発・販売したことでグラフィックデザインソフトウェアのオーサリング企業として名を馳せました。
その後も「InDesign」「Illustrator」などのアプリケーションを開発しており、これらのソフトにお世話になっている方も多いのではないでしょうか。
アドビリーダー
アドビシステムズが配布する、PDFファイルを表示するための無料アプリケーションです。
従来「Acrobat Reader」と呼ばれていましたが、バージョン6.0以降「Adobe Reader」に改称されました。
アナログ原稿
手書き原稿や、プリンタ等でプリントした原稿の事をいいます。
対してPCを用いて作成された原稿はデジタル原稿といいます。
世間一般の認識としては「アナログ=古い、デジタル=新しい」と捉えられていますが、これは誤用です。
アナログとは連続した量を他の連続した量・単位を用いて表示すること。
デジタルは連続した量を離散的な数値で表現することを意味しています。
離散的な数値とは例えば整数のことを言います。
1~2の整数の間には1.1、1.2といった少数が無限に存在します。
これらの少数は連続型の数値、整数は離散的な数値とされます。
簡単に言いますと、アナログは曖昧な表現・デジタルは具体的な表現、です。
アナログに似た言葉に「アナクロ」という言葉がありまして、これは英語のアナクロニズム(anachronism)の略で、「古臭い、時代遅れ」といった意味を持つ言葉です。
このアナクロとアナログが混同されてしまって、アナログも古いという意味で捉えられてしまっていると考えられます。
ですので、上記の定義からすると計算機のそろばんをアナログとするのは間違いとなります。
そろばんは電卓と同じくデジタルの計算機です。
そろばんがアナクロであるのは正しいです。
アプリケーション
コンピュータを特定の目的に利用するためのソフトウェア。
ワープロソフト、表計算ソフト、DTPソフト等、様々な物があります。
網掛け
ワープロなどで使用される文字装飾の一種です。文字の上に細かい点の模様を重ねて修飾します。
このように→文章の背景に色を付けることも網掛けと呼ばれています。
網点
「あみてん」と読みます。英語では「ハーフトーン(Halftone)」と言います。
絵の具などで絵を描くのと違い、オフセット印刷では薄い色を表現する際にインキ自体を水で薄めるといったことは出来ません。そのため薄い色は細かい小さな点を並べることで表現しています。印刷面に対して点の占める割合が増えれば濃い色に、割合が少なくなれば薄い色になります。(薄い色に"なる"、のではなく人間の目には"そう見えるようになる"が正しいです。)
この小さな点のパターンのことを「網点」と呼びます。
弊社のHPにも網点の画像サンプルがありますので興味のある方は是非。
オフセットのカラー印刷ではシアン(藍)、マゼンタ(紅)、イエロー(黄)、ブラック(墨)の4色のインキしか使っていませんが、色に応じて網点の大きさを変え、それらを重ねることで様々の色の表現を可能にしています。
身近にある印刷物を虫眼鏡などで拡大して見てみると、4色の色網点の集合によって色の表現がなされているのを見ることが出来るかと思います。