モアレ
規則正しく配置された点や線が重り合ったときに、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のこと。
干渉縞ともいい、物理学的にいうと、二つの空間周波数のうなり現象といえ、様々な分野で発生する現象です。
印刷では、望まぬ厄介な現象で、発生しないように調整しなければならないものですが、
逆に発生したモアレを有用なものとして利用している分野もあります。
印刷の際に、何故モアレが発生するのかというと、色を規則正しく配置された点(網点)で表現しているためです。
印刷物をスキャニングし再び印刷したり、細かい網目やストライプ模様等の周期性がある画像や模様を印刷する際に、
網点のピッチの違いや、ピッチが同じでもわずかな傾きによってモアレが発生することがあります。
また、カラー印刷では、複数の色版の網点を重ねて印刷するため、周期的な色模様がみえる場合があります。
そのため、各版のスクリーン角度を30度づつ変える等をして、モアレが出にくいようにしています。
モアレは、もともとアラビア語/ペルシャ語でアンゴラ羊の毛織物製の衣料を意味する言葉で、
そこから派生し、織物にあらわれた波型の模様で、杢目模様あるいは水模様のことを表すようになりました。
このパターンは二つあるいはそれ以上の平行な繊維を重ねることにより発生するものであったため、
更に派生し、現在のような意味を持つようになりました。