棄てられた皇軍兵士たち

2020 年 6 月 17 日 水曜日

棄てられた皇軍兵士と云えば、日本人であれ、台湾人であれ、朝鮮人

であれが外地で戦った人たちは皆棄てられている。シベリア抑留者は

どうぞどうぞとソビエトに差し出された様なモノで、やっと帰ってき

たらアカだ、満州でどんなひどい事をやって来たんだと責め立てられ

て、命令したお偉いさん方は、さっさと内地に帰ってアメちゃんの後

ろに隠れ棲む。新聞も役人も政治家も外地から軍人が帰って来るたび

にアメちゃん、アメちゃんと縋り付く。そんな事を戦後日本はずっと

やって来た。私だって武勲を誇る父をずっと攻めたてて来た。こんな

人の息子であることが恥ずかしかった。しかし戦後を学ぶうちに個人

の責任ではない様に思うようになった。しかし時代に翻弄される個人

と云う立ち位置ではとてもではないが収まらない。悪奴は未だに、我

々のお金を盗み続けている。

台湾高砂族は、アミ族、セデック族、パイワン族、ツオウ族、ブナン

族、ブユマ族の総称です。1895年日清講和条約で中国から割譲さ

れた物。清の時代から中国から渡って来る人たちが在り、台中を中心

に中国人植民地化が少しずつ広がっていました。それまでは高砂族と

中国人移民は、仲が悪かったようで首狩り族として長く恐れられて居

たようです。父の部隊にも高砂族の人はいた様で、度胸の良さと殺す

時の潔さは群を抜いていたと云います。ちなみに銃剣は渡されず、3

0センチぐらいの短刀一本だったようです。日本の台湾統治が始まっ

て一番喜んで尽忠報国に励んだのが高砂族と云います。日本は、中国

人も高砂族も差別はしなかったと云います。より日本人になる為に積

極的に戦おうとした。だから尚更棄てられた気持ちが強い。未だに

「天皇陛下万歳」と云うそうです。父の晩年「天皇陛下が好きなんだ。

これはもうどうしようもないんだ。」と云う言葉を聴きました。教育

と云うのはアイデンティの根幹を作る。理屈やロゴスでも無い、まし

てや歴史や文化に染め上げられている。爺さんは、バルチック艦隊と

戦った軍人でもあります。国の真ん中で悪い事をやる奴に限って愛国

右翼の言説をまくし立てます。

明日なき我が身 プリント

2020 年 6 月 16 日 火曜日

7月の個展に向けてプリントが進行しています。A3のプリントを

観ると改めて小川さんの写真の凄さが判ります。写真が屹立している。

家探し(火事場泥棒)

2020 年 6 月 14 日 日曜日

小川さんの家に行ってフィルム、プリント、べた焼き等全て引き取って

きました。目ぼしい写真集は粗方無くなって居ましたがフィルムとパソ

コンは手付かず。今週、廃棄業者に全て渡すと云う事でした。一人の写

真家の40年に及ぶ写真人生。技量は「明日なき我が身」で確認済みです。

80年代に「カジノフォーリー」という雑誌で少し連載はお持ちだったよ

うですがそれ以降は、短期の労働を繰り返しながら、世界各地に行かれ

ています。特に多いのが天安門が在った年以降、10年間通われた中国

です。天津、広州、上海、重慶、北京、香港。中国の市井の人々の表情

が生々しく写されています。現在中国で懐古的な気運が盛り上がってい

る様なので纏めれば売れる感じがします。世界が内向きになっていく中

で特に中国では、自国回帰が進むでしょう。データ化しながら先ずは、

サイトの中にアーカイブ作って作品を見て貰える様にします。家の壁に

尾仲さんの個展の案内はがきが一杯貼ってありました。

ファクトフルネス

2020 年 6 月 12 日 金曜日

ニュースは常に扇情的です。意図的であろうとなかろうと。センセー

ショナルで無いとニュースにはなりません。人々の意識を惹きつけた

いと願うネットスピーカーはよりスキャンダラスです。金銭が発生す

るメール会員等の人々に何かのニュースを届ける場合、より扇情的で

あり尚且つ巧妙です。表のメディアに対してネットの陰謀論者と云う

のは、山の様に居るというのは、少し短絡すぎます。今は、既存のメ

ディアの方が巧妙に仕掛けている。何を信じて何を無視すれば良いの

か、唯々途方に暮れるばかりです。「ファクトフルネス」データを基

に世界を正しく見る習慣。貧困率、教育の達成率、絶滅危惧種、人口

分布、予防接種率、自然災害、人口増加率、平均寿命、世界の大半の

人の所得、小児がんの生存率、携帯電話、インターネット普及率、安

全な飲料水、女性参政権、識字率、奴隷の人数、核兵器の数量、児童

労働、大気汚染、飢餓、死刑、ソーラーパネルの金額。一見よくなっ

ているように見えます。スゥエーデン人のこの著者のお祖母さんは、

文盲だったと云います。世界はこの50年で途轍もなく良くなってい

ます。しかし我々のこれだけの知見があって未だたったこれだけしか

進めていないの?と云う見方だって出来る。分母と分子、200年前

と現在。数字と云うのは魔術です。良い処を見ると世界は良くなって

いる。悪い処を見ると世界は悪くなっている。予防接種率やゲイツを

言い出したところで「ワクチン」ですか?と陰謀論者的には思ってし

まう。良い方に動いているという事実と過分にそこから報酬を得てい

ると云うのは、又別次元の話ですが、巧妙にそこは避けられている。

現在の商売の在り方が社会貢献や善の実践と云う体裁を取りながら算

盤だけは上手く隠されていますね。数字の統計を正しく見ることで恐

怖の実態は正確に検証できるのにそこを誰も見ようとしない。

この方のやって来た事は、大変正しいと思います。アプローチする場

所も啓蒙する人たちも正鵠を得ている。でも何か、数字だけが歩いて

いる感じがします。この人が最貧国の現場主義でその様な裏付けをシ

ッカリ経験して裏付けがあるにも拘らずです。ついつい気持ちや動機

を優先させようと長く数字主義者を机上の空論と遠ざけて来た悪習に

私自身も嵌っているせいかな?

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