孤塁 双葉郡消防士 3.11

2020 年 12 月 21 日 月曜日

自衛隊が錆びた戦車を粗大ゴミに出す。放射能廃棄物を燃えるゴミ

の日に出す。放射能が漏れだした福一に災害要請で消防署に救助要

請を出すのは、同じような違和感があります。戦場に救急車を呼ぶ

ような。使命とは云えあまりにも重い仕事です。しかし地域の全て

に責任を全うしようとする彼らは愚直に出動を繰り返す。目の前で

きのこ雲を見ていても、要請が在れば出動する。彼らの仕事を知ら

なかったで済ます訳にはいかない。重い仕事を黙って行い続けた。

誰もいない山河をただ黙々と守り続けた。双葉郡消防士。

あれから何日かの夜、黒塗りのハイヤーが凄いスピードで関西方面

に走るのを長距離トラックの友人から訊いていたけど、全部が全部

腐っている訳では無い。加藤の家に何百と云う人たちが押し寄せた

事も知っている。

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