覆面舞踏会

2020 年 12 月 10 日 木曜日

先日、マスクの街の仮面舞踏会について書きました。恋の始まりが愛に

昇格するためには身体が語る匂いを確認する作業が必要です。視覚はと

っかかりに過ぎない。フェロモンやホルモンから得た情報は我々に色々

な指令や感情を創ります。例えば新幹線の席でとんかつ弁当が放置され

ていると良い匂いから臭い匂いに変化していく。食事中の横でカップル

がいちゃいちゃし始めると発散しているホルモンの違いを感じ取ってし

まう。この前妹の孫とドライブしました。凄くなついて呉れていている。

多分自分や母親と同じ匂いを嗅ぎ取っているのだと思います。いつも目

が合うし傍に近づいてくる。子供の防衛本能なんだろうなと思います。

アドレナリン、エンドルフィン、ドーパミン。そして自分と同じ匂い。

代々母系から受け継いできている発酵菌の臭い。大腸菌の臭い。遺伝子

が創りだすホルモンの芳香。視覚過多は、他の感覚を疎かにしがちです。

目では本当の世界が見えない。脳は平気で嘘をつく。願望で事実を創る

人間の補佐をするのはそばにいる犬の仕事であると云うのは何か月か前

に読んだ本に書いてありました。匂いは世界を正確に表している。マス

クをして生活する事は恋愛を遠ざけるだけでなく、必要な危険情報を感

知する能力も奪ってしまう。アドレナリンは危険なシグナル。

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