ヘレディタリー/継承
2020 年 6 月 4 日 木曜日映画館が解禁になってやっと見ることが出来ました。アリ・アスター監督の
長編第1作のホラー映画。評判通り凄い作品でした。この監督の構成力は本
当に素晴らしい。最初の1分が全てです。森の中の1軒の家、ズームで寄っ
て行きます。開けられた窓からズームで画面が寄って行くとミニチュアの家
の模型が在り二階にベットが在り誰か寝ています。さらにもう少し、寄って
行った処でリアルな大きさになりそこに父親が入って来て寝ている主人公を
起します。目覚めたピーターが見るのは悪夢であり、受け継がれてきた在る
性向です。映画は体験である以上、此処で何か言ってもあくまでも私の見方
です。それぞれがそれぞれに体験すべきです。アリアスターを単なるホラー
映画の範疇で語る様な愚は侵してはいけない事は間違いありません。
この映画を4DX版と云うので観たのです。これが失敗でした。椅子が動い
たり震えたり、吃驚するのは火が燃えるところで背中から首筋にドライヤー
の熱風が吹きつけられるのです。雨の中を歩くと天井から霧雨が少し降りま
す。アクション映画だったら良いのです。ホラーは駄目です。受動態を動か
してしまうと素直に感応する事が出来なくなってしまう。最後にピーターが
選ばれし王だと云われる処、「ペイモン、そなたは地獄(HELL)の8番
目の王なるぞ」ここで、私は震え上がります。私の座っていた椅子が「H-
8」だったのです。