鹿の惑星 石井陽子
2019 年 9 月 13 日 金曜日本日、都築さんと石井さんとでKKAGで19:30~20:30
トークイベントが在ります。
本日、都築さんと石井さんとでKKAGで19:30~20:30
トークイベントが在ります。
アメリカのヨセミテ公園内に970メートルほどの高さの垂直の岩壁が
あります。エル・キャピタンと云います。山野井さんも平山さんも登って
来た岩壁です。山野井さんは道具有で、平山さんはフリークライミングで。
だったと記憶しています。もう30年ぐらい前の事で間違っていたら山野
井さん御免なさい。フリークライミングは、素手だけで登りますが、ハー
ネス付けて命綱で確保しています。ロープを確保しながら繰り出す人が必
要なので二人で登る事になります。フリーでソロと云いますと命綱を確保
する人がいないので、落ちたら死にます。970メートルの垂直の壁です。
殆んどは、長いクラックが在るのでそこは安心して観ていられるけど、無
い所のトラバースが恐怖ですね。アレックス以外のフリーソロの現場で実
際失敗して落ちて行く映像も挿入されます。5mmも無い出っ張りに足や
指掛けて遥か下何百メートル。「何でそんな事するん」と思うんです。た
かだかエンドルフィンの為?生きている実感?私はサーカスだと思いまし
た。危険を銭にしている。そしてそれに観客含めて群がっている。やり続
ければいつかは失敗します。20代のころ、俺だってと懸垂一日100回
課していた事も在りました。今はそっち方面では無いですね。第一身体が
下り坂ですから。アレックスが岸壁に張り付いている間、身体の中心を冷
たい風がピューピュー、吹き続けます。字幕監修で平山さんが係わっていた。
今週週末から全国上映される「今さら言えない小さな秘密」に合わせて
セテラさんと南青山にあるシマノさんが運営するOVEさんとで、自転
車生活でのんびりとと云うトークイベントに行って来ました。登壇は絵
本翻訳の荻野アンナさんと兵庫県姫路出身の自転車冒険家西川正徳さん。
荻野さんとお話ししていると荻野さんのお母様が兵庫県明石の出身だと
のこと。播州3人組ですね。少し盛り上がりました。絵本の細部に宿る
ゆったりの神々。自転車冒険の刻々に在る自然と身体との対話。全く違
うアプローチで在りながら見事にユッタリズムの自転車生活にシンクロ
して行くのでした。タビュランは運動神経はとてもいいのです。そして
お父さんの仕事の関係で自転車も大好きなのです。でも乗れない。その
辺話はとても盛り上がって、好きすぎると上手く行かないと云うのはあ
りがちな話。寅さんもマドンナが大好きなのに、押し倒す事が出来ない
んだものね。自転車は頭じゃなく身体で乗る物ですものね。その身体の
リズムがゆったりした生活のリズムを作ります。自転車は速くというイ
メージが先行しがちですが、実はゆっくり遠くまでと云うのが本来の自
転車の姿なんですね。絵本も絶賛発売中です。
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「ポエジィ」のコンセプトでの、詩、散文、写真、絵画作品のアンソロ
ジー。1冊に集う38名の作家ごとに、作品からたちのぼる感覚を、印
刷と云う視覚に見事に、変換させている。異なる本文紙、異なる書体、
異なる印刷がそれぞれに整えられ、小部屋をそっとのぞくような楽しさ
がある。そうした造本は、小口にリズムとなって現れ、凛とした本のた
たずまいを支えている。手に取りページを繰るごとに、心惹かれた作品
だった。(浜田桂子先生評)
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ここでは、形式や技法の異なる様々なテキストとイメージの組み合わせ
である内容に対して、文字種、版面、扉などの限定を最低限の秩序とし
つつも、紙質や印刷技法やタイポグラフィーの変化で、内容中の要素そ
れぞれの特殊性を確保しようとする態度に貫かれている。こういった個
々の内容への敬意に基づく苦労を惜しまぬデザインは、モダニズムの合
理主義的均質化へのささやかな抵抗であろうし、応援すべき姿勢と考え
た。(秋山伸先生評)
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昨日夕方、日比谷図書文化館にて「第53回造本装幀コンクールの表彰式
記念パーティーが在りました。イニュニックからは、編集長の外間とデザ
イナー松本、私の3人で赴きました。列席者の方々はいつもの慣れた感じ
の普段着での参加ですが、私にとっては一世一代の晴れ舞台、黒いスーツ
新調しての初お目見えです。このような賞状らしきものを貰ったの中学校
の卒業式以来ですね。嬉しかったけど、私の功績はさほど大きな物では無
いとの自覚も在るので内心忸怩たるものが在るのも確かです。でも晴れ舞
台は晴れ舞台です。このような栄誉はもう二度と無いかもしれませんので
楽しませて貰いました。
大臣賞や奨励賞は本来の出版社の方がたでは無く、本屋さん、TOTOの
便器やさん、古本屋さん、楽天のピクシブ、そして印刷屋のイニュニック。
本来の出版業とは違う面々が挙って受賞です。出版の未来を切り開く切り
口だったのか、変化球を投げやすい立場だったのか、少部数と云う制約が
逆に功を奏している処は在ります。