森山大道の東京 ongoing

2020 年 5 月 29 日 金曜日

東京都写真美術館

2020.6.2(火)-9.22(火・祝)

AM:10:00~PM:18:00 月休館  700円

スナップショットの名手として知られる、日本を代表する写真家・森山大道

は、1960年代に写真家として活動を開始し、そのハイコントラストや粗

粒子画面による作風は「アレ・ブレ・ボケ」と形容され、写真界に衝撃を与

えました。以来、世界各国の美術館での大規模店、2019年の八セルブラ

ッド国際写真賞をはじめとする数々の国際的写真賞の受賞など、デビューか

ら55年を得た現在もなお世界の第一線で活躍し続けています。本店では、

「ongoing=進行中、進化し続ける」をテーマに、今なお失踪し続ける森山

大道がレンズを通して捉え続けてきた街・東京を、カラーとモノクロの最近

作を中心に展開します。尽きることのない森山大道の写真の魅力を存分にお

楽しみください。(美術館プレスより)

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夜の酒場は、様々な欲と望と野を飲み込みながら放埓に肉体を開放する。

随分昔の事です。7才から12才まで母が営む屋台の飲み屋の開店準備を

手伝っていました。家族総出で貧乏から脱出の戦いを起していました。学

校が終われば、自転車に荷物を積んで造船所の前の皆勤橋まで持って行き

荷をほどきます。5時になって造船所のサイレンが鳴って口開けの客が入

るまでが私の時間でした。時々、離れがたく、店の裏から酒をあおる男た

ちを眺め、大人の視線にさらされて夜の街を見ていました。森山さんの写

真は、私にとっての原風景です。


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