映画 ハイゼ家 百年
2021 年 4 月 26 日 月曜日当分映画は観ることが出来ないと思ったので慌てて「ハイゼ家 100年」
を観に行きました。第一次世界大戦から現代までの3代に亘る国家と連動し
た家族の歴史。我々個人の歴史とは生活の細部に宿る一つ一つの物事であ
りその全体像が国家の歴史なんだという切り口は全くその通りと思うので
す。戦後東ベルリンに閉ざされた(閉ざされた?)視点がユニークだなと
思います。歴史に流されるということを生まれて初めて体験しているのが
このコロナ禍でした。80年前のあの時代から逃げきれた人もいない。東
大に入る頭がありながら学習院にあえて行き、徴兵忌避してしまう三島由
紀夫。中学の時代から文学に精通して詩や評論を発表しながら東工大に行く
吉本隆明。彼らはまんまと逃げ果せたのだろうか?宿痾のように胸の奥底に
抱かえ続けたのでは無かったか?時代から逃げることは出来ないのですね。
ここ最近東側物を集中的に観ていますね。これも時代なんだと思うのです。
この映画はいろんな意味ですごく期待してスクリーンの前に座ったのです。
それがですね、それが10分もたたないうちに寝てしまったのです。私だけ
ではない、顔の角度が下気味の人が結構いた。私はなんといっても、好物
が「男はつらいよ」ですからね。あまり難しいアプローチは得意ではない
のです。モノクロの廃墟や森を映しているだけのあまり動かない映像に昔
の家族が受け取った手紙や日記や作文などの朗読が延々と続くだけなので
す。言葉だけでは難しい。まして登場人物の名前が頭に入っていない。
遺品などが映像として出てくるものと思っていました。言葉よりブツです。
ブツは嘘つかないです。言葉は観念的になりすぎる。2時間の休憩で出てし
まった。トーマスハイゼ監督のインタビューなどが予定されていたのに。
プロレタリアートにも解るように創ってくれなくっちゃ。