入江泰吉写真美術館 尾仲浩二展

2020 年 1 月 27 日 月曜日

入江泰吉記念奈良市写真美術館「Faraway Boat展」

2020年 1月18日(土)~4月5日(日)

9時30分~17時(月曜休館)

今回はファラウェイボートに止まらない広範囲の今までの作品も網羅

されている展示となっております。

イニュニック渾身の写真集「Faraway Boat」も絶賛発売中。

先日の土曜日に中野サンプラザで尾仲さんの還暦パーティが在りました。

「またたびの会」と云う事でしたので、日ごろお世話になっている尾仲

さんの為に真赤な三度笠と道中合羽を用意させて頂きました。

何年か前、尾仲さんとお話ししている時、「尾仲さんの写真はどうして

こんなに懐かしいんでしょうか?」とお聞きしたことが在ります。尾仲

さんは、「同じような風景を見て来たからじゃないですか」と仰いました。

「あの頃、東京で・・」を読むと沢山の共通点がありました。同じ福岡県

の出身、父親が同じ鉄に係わる仕事をしていた。尾仲さんのお父さんは八

幡製鉄所にお勤めでした。我が家の爺さんは八幡製鉄所の門衛をしていま

す。事業に失敗した父は相生に流れて造船所で働き始めます。8年ほどし

て造船所の精鋭を集めて山住鉄工を立ち上げます。色々と働きかけて新日

鉄から声が掛かるようになって溶鉱炉の建設に仕事を絞るようになりまし

た。17歳か18歳の夏休みに千葉県君津の溶鉱炉の立ち上げに私もバイ

トで入っています。それから4年経って尾仲さんはそこで働き始めます。

私は、高校卒業して父の会社で働き始め神戸の工場に行きます。2年ぐら

い働いていたけど、この仕事を一生するのは嫌だなと思い東京に出ます。

尾仲さんも新日鉄を2年働いて写真の夢、捨てがたく東京に出て写真学校

に入り、そこから40年ただ、写真一筋にやって来ました。そして今や世

界中知られる写真家になりました。私はあっちに行ったりこっちに行った

り、何者かになりたくて右往左往していました。尾仲さんの写真を観て

いるとその時の右往左往や夢やあこがれが様々な形に蘇えるのです。私は

未だそのままにあそこに居るのかも知れない。

上へ