代用肉
2020 年 1 月 23 日 木曜日高野山の宿坊、總持院に泊まったのは、義母が亡くなった翌年の夏でし
た。妻の実家は真言宗で親戚の皆で泊まりました。宿坊と云うから質素
なところで、簡素な食事が出て、おつとめに付き合うのかなと思ってい
ましたが、總持院の中は高級ホテル並みの近代的な造り全て洋式で、柔
らかいベッドで快適なエアコン付です。全国精進料理コンテストでいつ
も優勝するぐらいの腕前で、野菜の材料となる肉もどき、鰻もどき、か
ら揚げもどきは、本当に説明されなければ判らないぐらいの美味しさで
した。お膳を出してくれるのはお坊さんです。美味しかったけどここま
で肉や美食に対する執着は、仏の教えから一番遠いと思っていましたが
滔々と話す料理の説明を聞いていてそんなことは露とも考えていない様
でした。最近いろんなところで、代用肉やヴィーガンの記事を目にする
様になりました。牛のげっぷの話や世界大豆戦争やらブラジル森林火災
は、大豆畑を作るための放火だと云う話。人口急増を考えれば大豆はこ
れからの地球を救う大事な食材です。オーストラリアの火災も大豆関係
でしょうか。何億と云うコアラやカンガルーは、大豆の為に殺されたの?
中国は、豚コレラとアメリカ産大豆の関税上げで大打撃です。
私が創業した30年前、やはりアメリカ産大豆が余って植物性大豆イン
キを造って環境に優しい印刷と云うのが流行しました。イニュニックも
環境に優しい印刷屋と云う事でファンソンの100%大豆インキを仕入
れて印刷していました。2ポンドで5000円位するのです。普通の墨
インキは1キロ1000円です。やせ我慢しながら刷っていました。そ
のうち谷口インキが大豆インキを開発して売り出しました。これも刷り
にくいインキでした。大豆油は20%も入っていなかったけど。
そうこうするうちに各製紙メイカーが造っている再生紙の古紙の配合率
が出鱈目だと云うのがばれて、私はブチ切れました。その時から、環境
に優しいと云う印刷屋と云う看板は下ろしています。植物由来のインキ
や再生紙は使いますが殊更、地球にやさしいとかサスナブルとか云うの
は避けています。地球温暖化や牛が世界中の穀物の半分を食べている事
や人口が70億から100億になったら?動物の命?地球の命?じゃぁ
人間の命は?土地の個人私有、国境の問題、地球政府に行かないで世界
は又閉じようとしている。享楽的な生活は人それぞれだからどの様に生
きてもそれは自由です。でもただのファッションでは違うと思います。
30年前の大豆油インキだけじゃないのです。20代の頃、ベジタリア
ンを気取っていた事も在るのですよ。貧乏な頃は厚揚げでカレーを作っ
てましたが充分美味しいです。今は、年取って精を出さなければいけな
いので(仕事の為ですから)毎日のように何らかの肉を食っています。
代用肉ねェ。野菜生活は持って大体半年です。性格がだんだん羊の様に
おとなしくなりますね。でも時々、何か無性にオオカミに成りたくなる
んですよ。