文机 「読書の日記」

2020 年 6 月 18 日

本屋さんで遠くから見ても異彩を放って居て、するすると吸い寄せら

れるように手に取っていました。NUMABOOKS刊「読書の日記」

阿久津隆さん。装幀が戸塚泰雄さん。今なんか戸塚さんの本、入って

いたような?流石にヌマブックスさん、造本装幀コンクールの常連だ

け在って、造りが一味違う。A6の文庫サイズで670ページ。厚さ

55ミリです。阿久津さんは「fuzkue」と云う本が読める本屋さん件

喫茶店を経営している方で、ウエブサイトの読書日記を纏めた物です。

ここ2.3年は日記と云う形式がとても流行っていて、自分で書くに

せよ、書かれた物を読むにせよ、日常身辺雑記とちょっとした感想で

アナログ的な身体の痕跡を具体的な活字で残そうと機運が現われてい

る感じです。ウエブでは残らないですから。写真アルバムも無い。記

憶もどんどん更新される。もう我々の生が80年の人生の記憶媒体で

は無くて、書いては消していくメディアに過ぎない物になっている。

イニュ日記は、私が印刷ウエブサイトを立ち上げた時からもうかれこれ

14年書いている日記です。最近は丁寧さが無くなっていて、私にとっ

て事件性の有る物ばかり、書く様になっていて、本来の目指していた物

から離れ始めているという自覚は勿論あります。「イニュブック」を始

めたタイミングでサイトの下の方に少し隠しました。商売の邪魔になり

始めている感じが在ります。これをサイトから消してしまうのは少し問

題でして、此処に膨大な文字情報を埋め込んでいるのです。現場の目利

きを充実させながら、イニュ日記のボタンをトップページから消すこと

も考えています。書かない事は無いですが、新規の方に観られない様に

するかもしれません。お気に入りに入れておいてください。宜しくお願

いします。

生命はピュシスの中にある。

2020 年 6 月 17 日

生物学者の福岡伸一さんが、どんなウイルスであれ、そのウイルスと

一緒に生きて行くしかないと新聞に書いてくれました。やっとまとも

な事を云う人が出てきたと喜んではいけない。そんな事は、無学な私

でも3月の初めに書いている。菌から逃げる事は出来ない。一緒に生

きて行きそれに合った身体に変化するしかない。生物の進化とはただ

それだけの事。科学者だったら当たり前すぎるほど当たり前の事を今

頃になって云い始めたのは、明後日の全面解除に向けての準備かな?

明日位から「テレワーク」と云う言葉を引っ込めて、「コロナと一緒

に生きて行く」なんて言い出しますよ。エイズとかサーズとかマーズ

とか、出てくるときは華々しいけどいつの間にか消えてる。

棄てられた皇軍兵士たち

2020 年 6 月 17 日

棄てられた皇軍兵士と云えば、日本人であれ、台湾人であれ、朝鮮人

であれが外地で戦った人たちは皆棄てられている。シベリア抑留者は

どうぞどうぞとソビエトに差し出された様なモノで、やっと帰ってき

たらアカだ、満州でどんなひどい事をやって来たんだと責め立てられ

て、命令したお偉いさん方は、さっさと内地に帰ってアメちゃんの後

ろに隠れ棲む。新聞も役人も政治家も外地から軍人が帰って来るたび

にアメちゃん、アメちゃんと縋り付く。そんな事を戦後日本はずっと

やって来た。私だって武勲を誇る父をずっと攻めたてて来た。こんな

人の息子であることが恥ずかしかった。しかし戦後を学ぶうちに個人

の責任ではない様に思うようになった。しかし時代に翻弄される個人

と云う立ち位置ではとてもではないが収まらない。悪奴は未だに、我

々のお金を盗み続けている。

台湾高砂族は、アミ族、セデック族、パイワン族、ツオウ族、ブナン

族、ブユマ族の総称です。1895年日清講和条約で中国から割譲さ

れた物。清の時代から中国から渡って来る人たちが在り、台中を中心

に中国人植民地化が少しずつ広がっていました。それまでは高砂族と

中国人移民は、仲が悪かったようで首狩り族として長く恐れられて居

たようです。父の部隊にも高砂族の人はいた様で、度胸の良さと殺す

時の潔さは群を抜いていたと云います。ちなみに銃剣は渡されず、3

0センチぐらいの短刀一本だったようです。日本の台湾統治が始まっ

て一番喜んで尽忠報国に励んだのが高砂族と云います。日本は、中国

人も高砂族も差別はしなかったと云います。より日本人になる為に積

極的に戦おうとした。だから尚更棄てられた気持ちが強い。未だに

「天皇陛下万歳」と云うそうです。父の晩年「天皇陛下が好きなんだ。

これはもうどうしようもないんだ。」と云う言葉を聴きました。教育

と云うのはアイデンティの根幹を作る。理屈やロゴスでも無い、まし

てや歴史や文化に染め上げられている。爺さんは、バルチック艦隊と

戦った軍人でもあります。国の真ん中で悪い事をやる奴に限って愛国

右翼の言説をまくし立てます。

明日なき我が身 プリント

2020 年 6 月 16 日

7月の個展に向けてプリントが進行しています。A3のプリントを

観ると改めて小川さんの写真の凄さが判ります。写真が屹立している。

家探し(火事場泥棒)

2020 年 6 月 14 日

小川さんの家に行ってフィルム、プリント、べた焼き等全て引き取って

きました。目ぼしい写真集は粗方無くなって居ましたがフィルムとパソ

コンは手付かず。今週、廃棄業者に全て渡すと云う事でした。一人の写

真家の40年に及ぶ写真人生。技量は「明日なき我が身」で確認済みです。

80年代に「カジノフォーリー」という雑誌で少し連載はお持ちだったよ

うですがそれ以降は、短期の労働を繰り返しながら、世界各地に行かれ

ています。特に多いのが天安門が在った年以降、10年間通われた中国

です。天津、広州、上海、重慶、北京、香港。中国の市井の人々の表情

が生々しく写されています。現在中国で懐古的な気運が盛り上がってい

る様なので纏めれば売れる感じがします。世界が内向きになっていく中

で特に中国では、自国回帰が進むでしょう。データ化しながら先ずは、

サイトの中にアーカイブ作って作品を見て貰える様にします。家の壁に

尾仲さんの個展の案内はがきが一杯貼ってありました。

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