DAU degeneration 

2021 年 8 月 29 日 日曜日

6時間9分。外が34度の日は、冷房利かすだろうとの判断で長ズボン、

靴下、コットンのジャケット持参。然し綿パンが寒かった。年取ると

冷えは関節に来ます。筋肉運動をしなくなったらここまで身体が変わ

るのかと我ながら年相応の反応に痛めつけられた6時間。然しそれだけ

では勿論なくて映画の内容が血流を止めているのです。そんな映画です。

「共産主義は宗教である」と始めの方に有名なラビの言葉としてありま

す。私は違和感が在りました。宗教と云うのは教義と真理だけでは無い

のです。風土がありそこに支配される身体が在り、そこから生まれる懊悩

が教義を作る、と云う風に私は理解している。だから頭で作っただけのも

のは、宗教もどきだと考えてます。一神教もそれに近い。共産主義者の人

たちもその所は理解していると思います。化学的な計算と理念だけでは

我々の生活を統御する事は出来ません。あさま山荘が然り、東大全共闘

映画が然り、ソ連崩壊が然り。だからこそ、これだけのセットを作ったの

だと思います。どこまでもリアルに持って行きたかった。出てくる人達は、

割と実際の役柄に近い経験をして来た市井の人たちなのです。DAU役は、

テオドール クルレンツィスです。ノーベル賞科学者や元KGB、実際の

ネオナチメンバー等、多彩な出演者に台本無し、セリフ無し、実際の当時

のアパートを建てて、生活様式も当時のままの中から、生活の便利さ、娯

楽をはぎ取って内面から古い共産体制の生活に支配された束縛の形而上の

退廃を炙り出そうと云う試みでしょうか?成功している面もあり失敗して

いる処も在ります。台本無しの即興はマンネリを生む、しかしそのマンネ

リに、観ているこちらが毒されていく処に形而下的な感応を生む。セック

スもリアル。豚殺しもリアル。あまり書きますまい。ここから先は、劇場

で存分にご堪能くだされ。もう一つ書き足しておきましょう。

「DAU.退行」が多分最後の部分です。全部で12本あるようです。

「ナターシャ」「退行」「NEW MAN」「CONFORMISTS」

「SASHE VALERE」「THREE DAYS」「THE EMPIRE」

「REGENARATION」「BRAVE PEOPLE」「STRING

THEORY」「KATYA TANYA」「NORA MOTHER」

ウォッカをひたすら飲む、飲む、飲む。食器をひたすら割る、割る、割る。

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