ターザンごっこがやりたくて山に分け入り、方々塩梅の良い森を探し
回ったのでした。しかし、西播の地には何処にもターザンごっこが出
来る森は無かったのです。アケビの弦はもってこいなのですが上に伸
びているだけで樹から樹へ飛び移る事は出来ない。しょうがないので
鴨居にロープぶら下げてトラ模様のパンツを履いて家でターザンごっ
こをするしかなかったのでした。ターザンが首を括って死んだと云う
話は知らないのですが、ただ、そんな映像が頭に浮かんだのでした。
最近読み終えた本。 「生活の発見」 ローマン・クルツナリック
「見ざる、聞かざる、言わざる」的な生活に沈殿している時は、こう
云う歴史的な教養書と云うのがしっくりきます。ヒントもちりばめら
れている。1963年、ティック・クアン・ドックの描写が衝撃的だ
った。写真は知っていました。経緯は知りませんでした。サイゴンの
通り、セダンに先導された350人の僧侶が通りを歩いて来ました。
セダンから3人の僧侶が下りて来ました。一人は地面にクッションを
置き、もう一人は5ガロン入りのガソリンの容器を持っていた。3人
目の65歳になる仏教指導者ティック・クアン・ドックはクッション
に静かに蓮華座に座った。付き添いにガソリンを掛けられた後、彼は
祈りを唱えた。暫くしてからマッチを擦って僧衣の上に落とした。
ニューヨークタイムズのジャーナリストが写した写真は世界中に届け
られた。焼身自殺を図った一人の僧侶によって政府の信用が失墜し政
権崩壊に繋がった。これは信念についての章で紹介されている話でし
た。生きていく上で信念が大切である事は判りすぎるほど知っている
筈なのに私たちは保身のために易々と捨て去ってしまう。