何か世の中では、景気が良いから人手が足りないと云う様な
言説が飛び交っているようですので一言申し述べます。
人手が足りないのは確かです。募集しても応募が少ない。
しかし、それが景気が良いとか雇用促進の施策が成されたから
などという事ではありません。
単純に膨大な労働力が労働市場から退場したからに過ぎません。
又はしつつある。先ず、8年前団塊の世代の先陣22年生まれ、
約200万人が定年を迎えました。そのあと嘱託で65歳ぐらいまで
働いたとしても3年前には退場しています。団塊の世代から年齢別に
みますと68歳、203万人、67歳、215万人、66歳、218万人。
65歳、200万人、64歳、186万人、63歳、176万人、62歳、
167万人、61歳、157万人、60歳、157万人。団塊の世代630万人が
退場した時期に3.11が有りました。あの時先行き不透明であまり雇用
しなかった。そのあと、60歳から65歳、合計1000万人が定年を迎えた
時期には、各社は何で対応しようとしたか?派遣とロボット化、長時間労働で
何とかやり過ごそうとした。新聞を賑わせているこれらの話は、全て前向きな
雇用をしてこなかったせいであって決して景気が良いなどという話では
ありません。寧ろこれらの事実は景気の悪化がずっと続いているという事
なのです。政府が100時間残業を認めても人手が足りない事態になった
のは退場する人数に対して、入場してくる人数がずっと少ないからです。
若い人の年齢別を見ると18歳、120万人、19歳、120万人、20歳、
120万人、21歳、120万人、22歳、120万人。若い年齢層は120万人
固定のようですが、この前後は数字ばらついてきます。たまたまです。
総務省の統計データでご確認ください。製造業の人手不足に比べて、
活況を呈しているのが観光業です。外国人の観光客が増えたという
見方もあながち間違いではありません、為替を円安にずっと誘導して
いるのですから。しかし大きいのは、労働市場から退場した60代の
人たちです。たっぷりの年金と時間を元気なこの時期、有効に活用して
いるのでしょう?後10年したら、医療、介護、福祉関係が活況を呈して
きます。年金支給年齢を70歳にして引退した老人たちにそれぞれ
復帰してもらうというのは、人手不足と年金不足を解消する一石二鳥の
妙手なのですが、納得する人など誰もいないでしょう?
サンデーモーニングで内閣支持率のでたらめをまことしやかに
流していたので少し書いてみました。