花摘む野辺に 菊地慶一

2017 年 6 月 6 日 火曜日

「書肆山住」の本です。書肆山住はイニュニックの出版事業部

高橋順子さんの書肆といの真似しました。うちは印刷屋主体なので

出版と書店と印刷と製本の一体となった言い方、書肆がしっくりくると

思いました。板橋のシュタイデルを目指します。

長吉のガマの油

2017 年 6 月 6 日 火曜日

親族に自殺者が何人も居る、お父さんが狂うた、というようなことは

小説にも書いてあったので知っていました。しかし本人にも精神障害が

あったとは知りませんでした。強迫神経症の中であの「赤目四十八滝

心中未遂」を書いていたなんて。狂気が浮かび上がってくる文章だけど

本当に障害があったとは思いませんでした。そして結婚して2年目から

死ぬまで神経症に付き合った順子さん。

壮絶です。己がガマの油に墨を垂らして書かれた作品の軌跡。

まだ、6月ですが今年度印刷屋大賞1位の作品です。

たいせつな友達

2017 年 6 月 6 日 火曜日

1980年4月、日本福祉大学勢和寮で出会った皆さん。

友達の御一人が癌になって全国に散らばっていたみんなが

毎週のように集まってたいせつな友達を励まし続けました。

励ますと云っても只笑いあうだけなんですけどね。

楽しい学生時代、卒業後のそれぞれの結婚式の集い、

ゆっくり長~く友情を育んでこられました。そして突然の癌の告白。

33年たって、勢和寮の時間がまた時を刻み始めます。

去年の暮れにおいで頂いたぺりさん。2月の3回忌にと仰って

いたのが、桜の咲くころになって、田植えの季節になって

やっと完成しました。人は誰かの心の中に居続けている限り

死にません。ちわわさんは、この本の中で、この本を開いた人の

中でずっと生き続けます。福祉に携わる人たちの人を想う

気持ちというのは、誠に凄いというしかありません。

みんなげらげら笑っているんですよ。

私はそれを見て泣いているのですよ。

良い本を作らせてもらいました。

笑いは祈りでもあります。

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