「心に咲く花」

2007 年 9 月 10 日 月曜日

おばの7回忌の法要で帰郷。

7回忌ともなると和やかな雰囲気の中、お坊さんの説法に軽いツッコミを入れる余裕もあり、久々の親族の集まりを楽しむ時間を持てたのは、有意義な事でした。

うちの親族は冗談ばかり言います。お坊さんも私との掛け合いに興が乗ったのか、1時間40分もお経をあげられたのには参った。正座をほどく。足に血が流れ込み始める。痺れるような痒いような、掻き毟りたくなるような、ムズ痒さです。ちょっとたまらん気持ち良さです。

(正座クラブってありだと思います。ただ1時間正座をする、そして足をほどく、ムズ痒さに身を捩る。でも、日常的に正座に慣れている人はだめです。)

どんなに好きだったり、大切だったりした人も、時間が経つとどんどん忘れて行ってしまう。悲しいと言えば悲しい。でも忘れる事によって、新たな命を励める。人間って本当うまくできている。

「アサッテの人」読了。四コママンガにアサッテ君ってあったような気がしたけど。内容も似てるような気もします。個々の断片は非常によく判るし、ポンパぐらいの事は、私もいいます。言い回しと構成でケムに巻いているけど意味がありそうで、意味のないラビリンス。この本自体がポンパなんでしょう。

お寺での法要が終わって、仕上げ膳を頂いていた時の事。私が昨日夜中、鹿が「ケーン、ケーン」と鳴いているのを聞いたと言う話から隣に座っていたおぢが「四・五年前のクリスマスの夜だったかなぁ、なんとかの交差点で車をバックさせておったら、鹿みたいのが車にぶつかって来て、脳震とうをおこして、気絶しよったんだよ」と言うので、「あっそれは、鹿と違うよ、トナカイよ。」と言うと私の前の三人が「ぷっ」と吹き出して笑い出す。そんなにすごくおかしい冗談でもないのに、礼服を着て厳粛な時間の後の心の緩みにはまるとヒットします。

うちの親族には今回の叔母さんにしても、冗談を言って人を笑わせる人が一杯おります。私も血を受け継いでいるんですけど、だからうちの葬式は、人が変な顔をして見る位よく笑います。

笑いは心に咲く花だと思います。持ち上げて持ち上げて、そしてちょっとずらす。小さな花でも咲けば、また明日も頑張れる。脳をトレーニングするゲームも、効用はあるんでしょうけど、「いつも、どないして笑わしたろかぁー」って考えてる方が、遥かに効くし、楽しくもなります。

「心に咲く花」奇麗なフレーズだけど、耳障りが良すぎる。どこで聞いた言葉だろうとずっと考えていたら喜名昌吉さんの「花」の中にあったフレーズでした。「まあ、エー言葉は、どんどん使うたら、エエやん!!」

と言うことで。

「stuff」

2007 年 9 月 5 日 水曜日

イニュニックのスタッフTシャツ完成。  FFのところは、おっちゃんにデザインして貰いました。

「あー、スペル間違えてるゥー。」いえ、これは敢えて「U」です。実は最初は、間違えていたのですが、調べてみると「staff」は、参謀とか職員とか、なんだかエラそうで。それで「stuff」を調べてみると、材料とか素材とか。要するにまだ何物にもなっていない原石そのもの。使用例をみると「スタッフワイン」でどうしようもないワインと云うような意味。少し負のニュアンスもあります。

スペルの事をおっちゃんに指摘されたのでそのような事を云いますと、「なんでそんなに、自分のことを卑下するん!」って言います。いつも学校で子供たちに「自信を持って自分らしく、オンリーワンを目指したらエエンやデェー。」って教えているのでしょう。

でも私は、「なんで、そんなに自分自分って言うん。」って思います。そのちっちゃなタコ壺から出てきて、流れに身を任せてみるのも、心地よいのに。

イニュニックの「STUFF」を何者かに変えてくれるのは、皆様だと言う思いを籠めて。

・・・・・・・

自分で書いてて、ちょっと顔が赤くなるような締めですね。

「お客様は、神様です。」これがオチと言うことで。

デジタルカラー補正

2007 年 9 月 3 日 月曜日

昨日の女子マラソン。土佐選手の泣き走り。最後の根性は、凄かった。声援でも呪いでも勝つためには、何でも総動員する執念。見習わなくてはいけません。

私、単純だから、ちょっと感動するとすぐ自分も何かやりたくなる。

で、自転車で上野へ「若冲」見に行くことにしました。上野まで不忍通りで、約23分。 「金刀比羅宮 書院の美」へは約10分待ちで入場。お坊さんが勉強する部屋だけあって少し地味です。全体的に思っていたより随分色が褪色しています。最初、老眼のせいかな?と思ったほどです。印刷物でのイメージが強すぎたせいでしょうか、ちょっと感じが違います。

円山応挙の虎の間。パッと入った瞬間、「オッ、猫がいっぱいジャン。」と嬉しくなってしまいました。いやほんとに猫にしか見えないんです。多分これは、虎の子なんでしょう。あまり迫力のある虎に囲まれていたんでは、気になって勉強に身が入らない。

しかし、これが「若冲」は、違うんです。なんか変なんです。花が禍々しい。でもこれは、昔見た本の中の私のイメージ。絢爛豪華な息苦しいような奥書院の上段の間を期待していたんですが、相当褪せている。現代はデジタルデータにすることに依って大幅にイメージを変えることができます。補色などをすればもっと毒々しい若冲にすることもできます。印刷物を実物よりはるかに見映えのする絵にするという作業を我々印刷屋は、当たり前のように毎日行っております。しかし、行き過ぎたらだめだと思います。今回、勝手にイメージを膨らませておいて、気がつかされたのが、化粧をしすぎる我々印刷屋の罪ということでした。

できれば、完成したばかりの花丸の間に閉じ籠ってみたかった。

狛犬になった寅さん。

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