デジタルカラー補正

2007 年 9 月 3 日 月曜日

昨日の女子マラソン。土佐選手の泣き走り。最後の根性は、凄かった。声援でも呪いでも勝つためには、何でも総動員する執念。見習わなくてはいけません。

私、単純だから、ちょっと感動するとすぐ自分も何かやりたくなる。

で、自転車で上野へ「若冲」見に行くことにしました。上野まで不忍通りで、約23分。 「金刀比羅宮 書院の美」へは約10分待ちで入場。お坊さんが勉強する部屋だけあって少し地味です。全体的に思っていたより随分色が褪色しています。最初、老眼のせいかな?と思ったほどです。印刷物でのイメージが強すぎたせいでしょうか、ちょっと感じが違います。

円山応挙の虎の間。パッと入った瞬間、「オッ、猫がいっぱいジャン。」と嬉しくなってしまいました。いやほんとに猫にしか見えないんです。多分これは、虎の子なんでしょう。あまり迫力のある虎に囲まれていたんでは、気になって勉強に身が入らない。

しかし、これが「若冲」は、違うんです。なんか変なんです。花が禍々しい。でもこれは、昔見た本の中の私のイメージ。絢爛豪華な息苦しいような奥書院の上段の間を期待していたんですが、相当褪せている。現代はデジタルデータにすることに依って大幅にイメージを変えることができます。補色などをすればもっと毒々しい若冲にすることもできます。印刷物を実物よりはるかに見映えのする絵にするという作業を我々印刷屋は、当たり前のように毎日行っております。しかし、行き過ぎたらだめだと思います。今回、勝手にイメージを膨らませておいて、気がつかされたのが、化粧をしすぎる我々印刷屋の罪ということでした。

できれば、完成したばかりの花丸の間に閉じ籠ってみたかった。

狛犬になった寅さん。

上へ