2014.9.28 17:40 白馬猿倉

2016 年 9 月 27 日

白馬鑓温泉に紅葉と温泉の軽いトレッキングに出かけたことは、二年前の

日記に書きました。ホウホウの体で駐車場にたどり着いた我々は、車の

バッテリーが揚がってしまっている事に愕然とします。もうその時点で、3難か

4難目なのですが、更なる追い打ちを掛けられたような気分でした。慌てて

JAFを呼ぶと待ってましたばかりに40分ぐらいで来てくれました。前日、隣の

車のバッテリー揚がりの修理に来ていて、私たちの車の電気が付きっぱなしに

なっている事を知っていたようでした。内心、「知ってたんだったら、消しといて

呉れればいいじゃないか」などと通る筈のない考えが浮かぶほどに、本当に

疲れ切っていました。修理が終わった時点で19時過ぎ。急いで帰らないと

翌日の仕事に堪えます。白馬から東京へ帰るルートは通常、軽井沢通って

関越道で新目白通り、雑司ヶ谷です。それが疲労困憊ながらもバッテリーの

様にテンションが上がってしまって正常な判断力も出来ずにいる我々は中央道、

諏訪湖SA、温泉ひとっ風呂コースを選んでしまったのです。岡谷ジャンクションから

中央道に入った途端気づきました。前日の御嶽山の余波がまだ続いている事に。

しかし、選んだものはしょうがありません。まずはさっぱり綺麗にして食事です。

そば頼んで出来上がるまでぼーと座っていました。風呂に入ったらすっかり力が

抜けてしまい、へたり込みそうなほど疲れ切ってしまいました。ふと気づくと私の顔を

じっと見ている人が前のほうに何人もいます。二日間の太陽に弄られながらの強行軍。

色白の私は猿の様に真赤な顔になっています。風呂上がりの服も髪もだらしなく乱れて

姿勢を正す余裕もありません。多分みんな、私の事を御嶽山の生存者と思ったのでしょう。

皆さんの目一様に憐れみと称賛が見て取れます。私は、慌てて俯いて「違うよ、違うよ。

僕は白馬の方の馬鹿な野次馬だよ!」とそばを食べ始めるのでした。

その日は結局、釈迦堂で夜中の2時まで寝て、4時ごろ家に帰りついたのでした。

御嶽山、いつかは登らなければと考えています。

クエイ兄弟 葉山

2016 年 9 月 26 日

神奈川県立近代美術館 葉山

ファントムミュージアム「クエイ兄弟」 ペンシルバニア生まれ。一卵性双生児。

パペットアニメーション。幻想、魔術、死霊、悪夢、病的、境界、迷宮、倒錯、オカルト、

病理学。

ファントム、タナトスに惹きつけられる葉山の御老輩。

ご内儀に何か叫んでおられます。

ここを写真撮ってSNSで発信しろと云うのですが、どこの美術館も大体、

メイン作品では無くて、3番手、4番手あたりの物を写真撮れと云います。

けち臭い。なんでメインじゃだめなの?会田誠は違ったよ。

この近代美術館の少し離れた所に葉山の御用邸があって、そこから1,2キロ

離れたところに自衛隊の学校があります。海上、航空、この辺りに全部そろって

いるようです。自衛官になるためにみんなここで、まず最初に勉強するのかな?

御用邸とすごく近いので在らぬことを考えてしまいました。

風速ゼロメーター、ベタなぎの海。それでもヨットは帆を張り、海洋へ。どうやって

あそこまで言ったのでしょうか?エンジン付いているのかもしれません。

テント貼ってバーベキュー。カヌーの人たちもいます。

帰りの車の中でラジオを聞いていると四谷シモンさんを呼んでハンス・ベルメールの

人形の話をしていました。渋澤龍彦さんの話も。TBSも随分変わりましたね。

完全に開き直っている。でもラジオはこれで良いのでは?TS・エリオットの詩があって

ハウリン・ウルフやジミーリードのブルース、ルキノビスコンティの映画論何でもかんでも

詰め込んで番組造れば面白いものが出来るのに、それぞれの音楽、映画、アート、

文学を全部まとめて編集発信できる人がいないというのが、現在の日本の惨状

なんだと思います。雑誌の編集長ラジオに行けばよくない?

クエイ兄弟の再評価もそうですが、デカダンスと云うのが今芽生え始めている感じが

します。末法思想、世紀末と云えばデカダンスではあるのですが、今の日本の現状を

考えたら出てくるべくして出てきた世相ですね。

高千穂郷食べる通信 創刊

2016 年 9 月 23 日

宮崎県高千穂郷、去年「世界農業遺産」に認定されました。国際食糧農業機関によって

認定される遺産です。世界農業遺産は農業を中心とした風景・生き物・伝統文化などの

その地域に暮らす人々の営みそのもの、いのちの現場その躍動に与えられる称号です。

発行は役場を中心にした、高千穂アカデミー。農業移住も強く推奨されています。

ネット、コンピュータ、ロボット、SNS。時代は大きな転換点に来ております。仕事も

豊かさも今までとは全く違う形になります。コンピュータやロボットが人間を越えたことで

起きているのが、現在の貧困です。世界的に起きている事。コンピュータで何かが

便利になれば、何かの職業が消えています。コンピュータが全てを行って、ネットの

中にすべての面白さがあったら、私たちの仕事は無くなります。どうやって給料を

もらいましょう?また、グローバリゼーションは、世界を平均化することで基本的に

良い事だと考えていました。先進国が貧乏になるとしても、貧困国から豊かになる

人たちが少なくとも同じ数だけいるわけですから悪い事では無いと考えていた

のです。しかし、グローバリズムはその様な事にならなかった。一部の企業が儲ける

だけです。工場をより安い国に移すだけです。1%対99%とはそういう事です。

5反の土地があれば一家五人は飢え死にしなくても、生きて行けます。農業は自分の

畑や田圃を耕すのが主の様に考えがちですが、実は集団協働体制です。隣の農家や

違うものを作っている農家と助け合う体制が基本です。現在の全国の過疎地域の現状を

考えると現在はとてつもないチャンスではあるのです。色んな食べる通信を読みながら

いろんな地域をリサーチする。日本の本当の再生は、地域の再生と消費的生活と拝金

主義からの脱却にあるのだと思います。

「土地を紡ぐ」写真展

2016 年 9 月 21 日

今年、7月に福岡アジア美術館で行われた展示を一部巡回するかたちで開催

致します。九州出身をキーワードに集まった6名(角田奈々、田邉成実、錦戸

俊康、唄野加奈、松岡美紀、山野雄樹)それぞれが、故郷の環境や状況に疑問を

持ち、訪れた土地の文化や風土に影響を受けながら撮影しています。

「土地を紡ぐ」と云う展覧会名は写真を撮ることで出会い経験した出来事の

一つ一つを紡ぎ作品にして行く想いが込められています。

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photographers' gallery企画  「土地を紡ぐ」

2.松岡美紀・山野雄樹

2016年9月14日(水)-23日(金)

12:00-20:00(無休)

photographers'gallery&KULA PHOTO GALLERY

160-0022 東京都新宿区新宿2-16-11-4F

tel+fax.03-5368-2631

info@pg-web.net   http://www.pg-web.net/

一瞥と所有

2016 年 9 月 21 日

手に取ってくれるのです。ページを捲ってもくれるのです。

イニュニックの作った選りすぐり、内容は勿論力のある作品ばかりなのです。

展示と販売、見ては頂けました。しかしあまり買っては呉れませんでした。

売り上げは15万位。

スマホをスクロールするように一瞥はしてくれるのですが、購買にまで行きません。

今モノが売れないという現実をまざまざと見せつけられました。今を生きるという

事は、世界を目で認識しながらそれがそのまま観念としての所有するという事なの

かもしれません。ほとんど仮想空間に身を置きながら世界と一体化して入るかのようです。

コミケの場合は、本当に一杯、何万円も何十万円も本を買われていきます。アートや

写真はなぜだめなのでしょうか?女性がとても多い。特に業界の方が多いというのが

特徴です。斬新な切り口や新しいもの、次の流行を探しに来ているような感じもしますが、

でもただ見るだけで、いろんな印象を頭に焼き付けているのでしょうか?

SNSは、人生をイベント化しました。常に発信できる経験を探します。ある経済評論家が

「飛行機は満席なのに自動車は売れない。」どうしてなんだろうとトボケタこと言います。

車はケの道具ですが、飛行機はハレの乗り物です。人生を彩る乗り物は飛行機です。

最終日に時間間違えて30分遅く会場に入りました。会場に向かう道ですれ違う

人がもうオレンジのビームスの袋を抱えて帰っているのですが、多分彼女らは入り口

付近で写真撮って終りなのだと思います。アートブックフェア―に来ている私をFBで

発信して終りなのです。コミケの男の人は、本を買い所有します。コミケの女の人は

コスプレして会場そのものを所有してイベント化します。古来、男は自分に欠けた

モノをせっせと所有し、女は女になって行く過程で世界そのものを所有してしまう。

女性に物は要らないのです。しかし、ホントの意味での所有とは自分の身の回りに

置く事で、いつでも作品世界と共鳴し合い、作品そのものを身体化することです。

誰かの作品を身体化することによって、新しい何かが自分の中から生まれるのだと

思います。買わないで見ているだけでは、自分の中に蓄積がない。蓄積がないと

何も生まれない。今回、いろんな勉強になりました。来年は、戦略シッカリ立てて

挑みたいと思っています。しかし、一番売れていたのが外の軽食、ビール、ワイン

コーナーだったのです。1合でビールが500円から800円、ワインが6勺位で

800円。食べ物もべらぼうに高くて、このイベントで一番儲けたのは、ココの人達

だろうな思いました。来年は「味ノマチダヤ」とフランス料理の「ハルナ」と組んで

イニュニックここに店出そうかなと考えています。

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