写真家松岡さん立ち合い 

2016 年 10 月 13 日

写真同人誌九州の松岡美紀さん。 写真集「SPACE」印刷立会いで

上京してくれました。友達の明石瞳さんと一緒に。お二人で来月の

パリフォトとドイツの展示に行かれます。最後の大詰めです。

簡易校正5回。本紙校正1回。データで完全に仕上がっているので

作業はスムーズです。

推拿 畢飛宇

2016 年 10 月 6 日

先月、台湾の方の紹介で中国式按摩、推拿整体のお店のチラシを作りました。

チラシを作ったのとこの本を読み始めたのが丁度同じ時期でした。その台湾の

方は目は見えるのですが、小柄の女性の方でした。推拿とは体の経絡、ツボを

手で揉み解し、体のバランスを正常に戻す整体です。

最近の私は目から離れたところの感覚や表現に関心が向いています。

吉増剛三さんからですね。言葉やテキストを音、声、体の動き、時間に置き換えたり、

山谷さんの写真が写す夜の家シリーズなど。これは、灯りの消えた家を撮りながら

家の中の家人の様子を連想させます。夢の中で本能を開放させたり、夜の営みの

中に自分自身を見出し体を解放させたり、見る見せる世界から離れて世界を

目以外のより身体性の強い感覚で再構築する表現が面白いです。

この本、邦題「ブラインド・マッサージ」は、南京のあるマッサージ店を舞台に

そこで働く盲目のマッサージ師のそれぞれの来し方、生き方、覚悟を温かく

書いています。ある意味運命に身を委ねるしかない人生は、プライドとそれを受け

入れる強さが必要です。我々は目で世界を見ているようでいて、表層をなぞって

いるだけで、どれだけ本質を見極める事が出来ているでしょうか?

世界を感じる事と事象の本質を見極める事に命がけの彼らの思考はとてつもなく

深いのです。逆に言えば膨大な絵で世界を理解した気になっている我々は

どんどん幼稚になっているのかもしれません。久々に時間を忘れて読み耽る

事が出来ました。現代ものでは中国文学は初めてでしたが、レベルは相当高い。

泣き顔

2016 年 9 月 30 日

朝はBSの海外のニュースを見ています。しかし非常に興味を引く

ニュースが流れていても、7:30分になったら情け容赦なく朝の

テレビ小説に変えられてしまいます。今回は暮しの手帖の話でした。

主役に抜擢されるには、それなりの理由があります。若いころの演技。

年を取ってからの演技。間やくたびれた感じ。腰回り、動作。ちゃんと作って

いるなと感心していました。それが佳境のお別れのシーンになって気づいた

のですが、泣き顔は子供の顔になってしまうのですね。泣くという事が

子供の領分だからでしょうか?それとも、子供時分の事を思い出しているから

子供の泣き顔になったのでしょうか?大人の泣き顔が出来ていないという批判では

ありません。オトナになったら手放しには泣けません。我慢するし、カッコつけるし、

貼り付けてきた大人の顔を無残、含羞剥がし落とすことも出来にくい。

子供は弱いだけに、一つ一つの結びつきや自分の思いが命がけなんだと思います。

年取って子供の様に泣けないのは、必死になってそのような関係を作っていないから。

パタゴンが居たパタゴニア

2016 年 9 月 29 日

ブックフェア―で買ったパタゴニア、ヤマナ、セルクナム族の本。

南アメリカ最南端、チリ、パタゴニア。マゼランの航海で生き残った部下ビガフェッタが

証言しています。この土地には、身長4mを超す巨人、パタゴンが住んでいる。

しかし其の後1800年ぐらいには身長は2mぐらいになってしまい、たった

300年で半分に縮んだ事になります。

この写真集は100年ぐらい前のパタゴニア先住民セルクナム族を撮ったもの。

アフリカ、スーダンのヌバ族に勝るとも劣らない美しいセルクナム族。裸にアザラシ

などの油を塗ってその上からボディペインティングしています。普段は素肌に毛皮などを

纏っていて、これらの化粧は、特別な日に行うものでした。

これらの人々は19世紀の終わりごろにはスペイン人によって滅ぼされています。

大体、北米や南米のインデアンは、ヨーロッパ大陸の病原菌でやられています。

故意に病原菌を持ち込むのです。ヨーロッパの天然痘患者の使っていた毛布を

プレゼントして死んでいくのをじっと待つのです。

セルクナム族もその様にして人口を減らされていきました。2年前のパトリシア・

グスマン監督の「真珠のボタン」で描かれていました。

水俣食べる通信9月号

2016 年 9 月 28 日

9月号は農山さんの豚肉です。高校三年生で初めて母豚10頭を買って子豚の販売を

始めた養豚のエリートです。家は稲作と林業の普通の農家でした。意識と行動力が

凄い。日本全国の豚を見て回ってパブコックに出会い、山を買って、井戸を掘って

山に養豚場を造りました。周りを整備して滝を作って、レストランを作って「モンヴェール

農山」をオープンさせます。尊敬し慕う子供たちが事業に参加して、ハム・ソウセージの

加工所も作ります。ネットショップも立ち上げ、全体を整備してふれあい牧場と展望台を

作って、カッコよくていのちの循環が見えて味わえる、テーマパークを造りました。

そして、農山さんは言います。これは全て山を創るためのものです。山が地域を豊かに

して海を豊かにする。そして山の時間が人の心を豊かにする。素晴らしい経営哲学だと

思いました。             ¥2980-  minamata-taberu.com

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