人手が足りない?

2017 年 6 月 12 日

何か世の中では、景気が良いから人手が足りないと云う様な

言説が飛び交っているようですので一言申し述べます。

人手が足りないのは確かです。募集しても応募が少ない。

しかし、それが景気が良いとか雇用促進の施策が成されたから

などという事ではありません。

単純に膨大な労働力が労働市場から退場したからに過ぎません。

又はしつつある。先ず、8年前団塊の世代の先陣22年生まれ、

約200万人が定年を迎えました。そのあと嘱託で65歳ぐらいまで

働いたとしても3年前には退場しています。団塊の世代から年齢別に

みますと68歳、203万人、67歳、215万人、66歳、218万人。

65歳、200万人、64歳、186万人、63歳、176万人、62歳、

167万人、61歳、157万人、60歳、157万人。団塊の世代630万人が

退場した時期に3.11が有りました。あの時先行き不透明であまり雇用

しなかった。そのあと、60歳から65歳、合計1000万人が定年を迎えた

時期には、各社は何で対応しようとしたか?派遣とロボット化、長時間労働で

何とかやり過ごそうとした。新聞を賑わせているこれらの話は、全て前向きな

雇用をしてこなかったせいであって決して景気が良いなどという話では

ありません。寧ろこれらの事実は景気の悪化がずっと続いているという事

なのです。政府が100時間残業を認めても人手が足りない事態になった

のは退場する人数に対して、入場してくる人数がずっと少ないからです。

若い人の年齢別を見ると18歳、120万人、19歳、120万人、20歳、

120万人、21歳、120万人、22歳、120万人。若い年齢層は120万人

固定のようですが、この前後は数字ばらついてきます。たまたまです。

総務省の統計データでご確認ください。製造業の人手不足に比べて、

活況を呈しているのが観光業です。外国人の観光客が増えたという

見方もあながち間違いではありません、為替を円安にずっと誘導して

いるのですから。しかし大きいのは、労働市場から退場した60代の

人たちです。たっぷりの年金と時間を元気なこの時期、有効に活用して

いるのでしょう?後10年したら、医療、介護、福祉関係が活況を呈して

きます。年金支給年齢を70歳にして引退した老人たちにそれぞれ

復帰してもらうというのは、人手不足と年金不足を解消する一石二鳥の

妙手なのですが、納得する人など誰もいないでしょう?

サンデーモーニングで内閣支持率のでたらめをまことしやかに

流していたので少し書いてみました。

TOKYO ART BOOK FAIR 2017 協賛

2017 年 6 月 8 日

今年もアートブックフェア―協賛します。

出店は悩んでいます。どうしようかな?

去年と同じでは面白くないし、何か売りながら、

イニュニックで本を作る事の面白さを何か具体的な

形でお見せするようなアイデア。

何か絞り出せたら出店します。

花摘む野辺に 菊地慶一

2017 年 6 月 6 日

「書肆山住」の本です。書肆山住はイニュニックの出版事業部

高橋順子さんの書肆といの真似しました。うちは印刷屋主体なので

出版と書店と印刷と製本の一体となった言い方、書肆がしっくりくると

思いました。板橋のシュタイデルを目指します。

長吉のガマの油

2017 年 6 月 6 日

親族に自殺者が何人も居る、お父さんが狂うた、というようなことは

小説にも書いてあったので知っていました。しかし本人にも精神障害が

あったとは知りませんでした。強迫神経症の中であの「赤目四十八滝

心中未遂」を書いていたなんて。狂気が浮かび上がってくる文章だけど

本当に障害があったとは思いませんでした。そして結婚して2年目から

死ぬまで神経症に付き合った順子さん。

壮絶です。己がガマの油に墨を垂らして書かれた作品の軌跡。

まだ、6月ですが今年度印刷屋大賞1位の作品です。

たいせつな友達

2017 年 6 月 6 日

1980年4月、日本福祉大学勢和寮で出会った皆さん。

友達の御一人が癌になって全国に散らばっていたみんなが

毎週のように集まってたいせつな友達を励まし続けました。

励ますと云っても只笑いあうだけなんですけどね。

楽しい学生時代、卒業後のそれぞれの結婚式の集い、

ゆっくり長~く友情を育んでこられました。そして突然の癌の告白。

33年たって、勢和寮の時間がまた時を刻み始めます。

去年の暮れにおいで頂いたぺりさん。2月の3回忌にと仰って

いたのが、桜の咲くころになって、田植えの季節になって

やっと完成しました。人は誰かの心の中に居続けている限り

死にません。ちわわさんは、この本の中で、この本を開いた人の

中でずっと生き続けます。福祉に携わる人たちの人を想う

気持ちというのは、誠に凄いというしかありません。

みんなげらげら笑っているんですよ。

私はそれを見て泣いているのですよ。

良い本を作らせてもらいました。

笑いは祈りでもあります。

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