映画と自転車のトークイベント

2019 年 9 月 12 日

今週週末から全国上映される「今さら言えない小さな秘密」に合わせて

セテラさんと南青山にあるシマノさんが運営するOVEさんとで、自転

車生活でのんびりとと云うトークイベントに行って来ました。登壇は絵

本翻訳の荻野アンナさんと兵庫県姫路出身の自転車冒険家西川正徳さん。

荻野さんとお話ししていると荻野さんのお母様が兵庫県明石の出身だと

のこと。播州3人組ですね。少し盛り上がりました。絵本の細部に宿る

ゆったりの神々。自転車冒険の刻々に在る自然と身体との対話。全く違

うアプローチで在りながら見事にユッタリズムの自転車生活にシンクロ

して行くのでした。タビュランは運動神経はとてもいいのです。そして

お父さんの仕事の関係で自転車も大好きなのです。でも乗れない。その

辺話はとても盛り上がって、好きすぎると上手く行かないと云うのはあ

りがちな話。寅さんもマドンナが大好きなのに、押し倒す事が出来ない

んだものね。自転車は頭じゃなく身体で乗る物ですものね。その身体の

リズムがゆったりした生活のリズムを作ります。自転車は速くというイ

メージが先行しがちですが、実はゆっくり遠くまでと云うのが本来の自

転車の姿なんですね。絵本も絶賛発売中です。

審査員奨励賞「未明02」 寸評

2019 年 9 月 12 日

================================
「ポエジィ」のコンセプトでの、詩、散文、写真、絵画作品のアンソロ

ジー。1冊に集う38名の作家ごとに、作品からたちのぼる感覚を、印

刷と云う視覚に見事に、変換させている。異なる本文紙、異なる書体、

異なる印刷がそれぞれに整えられ、小部屋をそっとのぞくような楽しさ

がある。そうした造本は、小口にリズムとなって現れ、凛とした本のた

たずまいを支えている。手に取りページを繰るごとに、心惹かれた作品

だった。(浜田桂子先生評)
================================

ここでは、形式や技法の異なる様々なテキストとイメージの組み合わせ

である内容に対して、文字種、版面、扉などの限定を最低限の秩序とし

つつも、紙質や印刷技法やタイポグラフィーの変化で、内容中の要素そ

れぞれの特殊性を確保しようとする態度に貫かれている。こういった個

々の内容への敬意に基づく苦労を惜しまぬデザインは、モダニズムの合

理主義的均質化へのささやかな抵抗であろうし、応援すべき姿勢と考え

た。(秋山伸先生評)
================================

第53回造本装幀コンクール表彰式

2019 年 9 月 11 日

昨日夕方、日比谷図書文化館にて「第53回造本装幀コンクールの表彰式

記念パーティーが在りました。イニュニックからは、編集長の外間とデザ

イナー松本、私の3人で赴きました。列席者の方々はいつもの慣れた感じ

の普段着での参加ですが、私にとっては一世一代の晴れ舞台、黒いスーツ

新調しての初お目見えです。このような賞状らしきものを貰ったの中学校

の卒業式以来ですね。嬉しかったけど、私の功績はさほど大きな物では無

いとの自覚も在るので内心忸怩たるものが在るのも確かです。でも晴れ舞

台は晴れ舞台です。このような栄誉はもう二度と無いかもしれませんので

楽しませて貰いました。

大臣賞や奨励賞は本来の出版社の方がたでは無く、本屋さん、TOTOの

便器やさん、古本屋さん、楽天のピクシブ、そして印刷屋のイニュニック。

本来の出版業とは違う面々が挙って受賞です。出版の未来を切り開く切り

口だったのか、変化球を投げやすい立場だったのか、少部数と云う制約が

逆に功を奏している処は在ります。

台風

2019 年 9 月 9 日

今日は、時間通りに間に合ったのが、3人だけ、朝の朝礼は5人でした。

電車が来ないや駅に入れないという連絡がずっと続いて、もう来なくて

いいよと云う連絡をしたのが10時過ぎでした。昨日の夜は早くに休ん

だので4時ごろから起きていたのですが、風が凄かった。自然が猛威を

振るうと云うのは何か爽快ではありますが現実問題社会が廻らなくなる

のは問題。だけど何処か嬉しい。破壊衝動と云うのは何処かある。

7日、8日はこの辺りは祭りでした。子供神輿が出て、辻辻で振る舞い

酒が在って街全体が浮かれるんですね。そんな土曜の夕方、とんでもな

い場面に遭遇しました。うちの会社向こうに川越街道が走っていて通り

はとても激しい。中々信号変わらないです。中々信号が変わらない暑い

日差しのたそがれ時、それは起きたのです。私は会社の前の道を渡って

向こう側に行きました。すぐ100mばかりの向こうから青信号を目指

して車が3台ほど走って来るのが見えました。だから私は少し慌てまし

た。右に折れて川越街道を渡るための坂道に掛かろうとしていました。

坂道から急坂の勢いのまま自転車の子どもがそのまま道を横切りました。

ギリギリ10メートル、車の手前で渡り切りました。そしたらすぐ後ろ

から三十路の若いご婦人が子どもと同じようにノンストップで突っ込ん

でいくのでした。私は思わず「ウォー、ヤメロウ」と叫んでいました。

何で停まれと云えなかったのでしょう。車も自転車両方見える位置に

いました。それは見事な体当たりでした。どんぴしゃりで車の横っ腹。

人間はタフですね。何処か折ってたかも知れないけど、気丈でした。

先に渡った子供は、後ろ向きに私を見ていました。怯えたような怒った

ような目で見返して来た。遠い昔私もあんな目をしてたかな?

止まらなきゃいけない道なんです。車の往来が多い事はこの辺の子だっ

たら誰でも知っている。ひと月に一回ぐらいここの事故は、有ります。

カーブミラーは無いし、足元に大きく停まれと書いていないのも問題で

すが。坂道スゥ―と降りて行くと忘れちゃうのですね。都合よく考えち

ゃうのか自分だけは、大丈夫だと思うのか?人間は馬鹿ですね。まして

その先が少し登ってるんです。ご婦人は「あの子供が行けたんだから」

と云うんですよ。怖いですね。祭りと云うのは、魔も一緒に連れてくる。

奈良食べる通信 軟白ずいき

2019 年 9 月 6 日

20世紀に入って94%の種が消えたと云います。21世紀になってからも

消えた種は多いと思います。子供のころに食べていた、えぐみや渋味、苦

みが微かに感じさせる野菜は随分減ったように思います。個性の強い野菜

が大好きだったけど、あの頃のくどさがある野菜には、トンと出会えなく

なってしまいました。人間もそうなんですけどね。種の多様性は私たち、

命の多様性を守り支えるモノ。今回の奈良食べる通信は、一度消えてしま

った地域の伝統野菜、軟白ずいきを復活させたものです。ずいきはアクが

強く手に汁が付くと痒くなるものです。大根やニンジンを擂るのは私の仕

事だったですが、山芋も強烈に痒かった思い出が在ります。あくの強い物

を食べていると性根も強くなると云います。消えた伝統野菜の復活です。


上へ