最強の笑顔
2019 年 7 月 8 日 月曜日月に一回行く美容室には、笑顔がとても素晴らしいアシスタントさんが
居ます。赤塚不二夫の「ウナギイヌ」に似ています。自分で云うのです
から自信が在るのでしょう。家が不動産屋さんをやっていたそうです。
商売をしている家で確実に引き継がれるのが初対面の人に物怖じしない
と云う事と素晴らしい笑顔が出来ると云う事。話の聴き方も上手いので
彼女とばかり話してしまいます。美容師さんの方は公務員の息子なので
お追従が云えないタイプで木で鼻を括った様な顔で髪切っています。
私の家は母親は、竹田の商家の娘だったけど、緊張し易い人でいつもど
もっていました。爺さんが軍人で婆さんが尼さんだったので父親は坐っ
た眼で黙ってモノを見ていました。それで色んな重なりが在って私は
暗い顔して下ばかり見ている子どもでした。なるべく人に看られない
様に看られない様にしていました。10歳ぐらいになって先を案じた親
達による私の改造計画が始まりました。先ずは返事の練習。素直に成れ
ず不貞腐れながらやっていると罵刺罵刺叩かれていました。心の中では
いつまで戦争ごっこやってんだぁと毒づいていました。見かねた婆ちゃ
んが間に入って呉れて「食事作法」と「笑顔」の練習。小豆を漆の塗り
橋で皿から皿へ100粒移します。ひと月位やっていました。笑顔の練
習は、引き攣った様な顔で笑い顔を作っては駄目、作っては駄目。いくら
やっても良い笑顔が出来るはずも在りません。心が沈んで居るんですもの。
その様な練習をさせながら笑顔と云うモノの本質を教わりました。心が楽
しくなければ笑顔は出来ません。世間が面白いと思わなければ笑顔になら
ない。この世の中を好きにならなければ生きていくことは出来ないぞと云
われ続けました。誰かがやってきたら「やったぁー」と云う顔で笑います。
肝心なのは心からそう思い込む事です。辛いなと云う時でも全力で笑う。
素敵な笑顔と云うのは誰もが身に着ける事が出来る最強の魅力なのです。
学も無い、お金も無い、根気も無い。笑顔だけで渡って来たのでした。