令和元年

2019 年 3 月 30 日 土曜日

昨日、お昼前に中央高速の調布インターから都心に向かって高速道路に

乗りました。乗る直前に道路緊急工事で調布、高井戸間30分の渋滞と

ありました。少し遠回りして下を走って帰るのも面倒だったのでそのま

ま高速道路に乗ったのでした。通常、6キロなので5分ぐらいで通過し

ますが、昨日はきっかり30分掛かりました。高井戸トンネルの入り口

を一車線塞いで、ガードマンが一人立っているだけでした。

さっき「令和」と元号が決まって昨日の出来事をまざまざと思い起しま

した。律令の律は法律、令はそれ以外の命令です。国家主導の政治が行

われて行くのでしょう。

民喜 青学試験問題

2019 年 3 月 28 日 木曜日

今日、青山学院さんから先日の入試の国語の問題用紙が送られてきました。

自己への執着を捨て魂が昇華される文章の核心部分が問題になっていまし

た。試験を解きながら読み進めてみて、受験生は何が何でもこの学校に入

りたくなるだろうなと思いました。逆に民喜の純粋さを理解しえない学生

はここには、入れない事になります。殆んどの問題はマークシートで5択

の中から選ぶのですが2つに絞ることは出来ます。しかしその二つをずっ

と迷い続ける私は、入れない方の学生かもしれません。

東北食べる通信 芹

2019 年 3 月 26 日 火曜日

今日少し落ち着いたので東北食べる通信を読んでいたら編集長の言葉で

花巻の偉人宮沢賢治の「世界全体が幸福にならないうちは、個人の幸福は

ありえない」と云う言葉の紹介がありました。私自身もここ一ヶ月考えて

いたのが、便利である事と幸福であると云う事の違いなのでした。便利に

なったから餓死者が居なくなって観光客が増えました。この百年の進化で

す。それは大きな幸福です。それは間違いないです。人と触れ合わないで

掌に空いた窓ばかり覗き込んでいるのは、まるでナルシスでそのうちに死

んでしまう様な気がします。「お前はすでに死んでいる」byケンシロウ。

便利すぎて何もする必要のない世界。これを便利とは云わないですね。便

利の目的はみんなの幸福なんですから。周りを見ないで掌ばかり見ている

のでみんなが見えていない。ただすれ違うだけの人の幸福を願う事の出来

る社会が良い社会だし、みんなの幸福なんだと思います。

芹と云えばきりたんぽ鍋。鶏肉と豆腐ときりたんぽと芹を買って来てきり

たんぽ鍋ばかり食べて時期が20年ぐらいありました。宮城の名取の芹な

んで秋田のきりたんぽ出すのは、方向が違うだろうとのお叱りはございま

しょうが事実なんだからしょうがないです。紹介している芹鍋はきりたん

ぽが入らないだけで味付けは同じような感じです。今日も意外と寒いし、

今週金曜日も気温が下がるようです。この冬最後の鍋は芹鍋で行きましょ

うか。

TABF 銀座 ソニーパーク

2019 年 3 月 25 日 月曜日

イニュニックの事を知っていてお出で下さった方が多かったです。サンプル

帳は、500円で売りましたが完売でした。本日から800円プラス送料

200円で売っています。ご来社の方は、800円です。入口の一番目立つ

場所だったせいか本はとても売れました。日曜日の午後には尾仲浩二さん

が売り場に立ってくれて大きな人の輪が出来ていました。少し大きくなった

イニュニックが実感できた二日間でした。本日、もう一つ嬉しいニュースが

ありました。一昨年の暮れ出版した「原民喜童話集」の中の文章が今年の青

山学院大学の入試に使われたそうです。京都の赤本を出している処から掲載

の依頼申し込みがありました。また売れ始めるかな?と期待しています。

こう云うのを「春が来た」と云うんですね。東京アートブックフェア―銀座

は後2週あります。まだまだこれから盛り上がって行くTABFです。


映画「ローマ」

2019 年 3 月 25 日 月曜日

オープニングは上手かった。タイルだけがずっと定点で映っていて何かを

こすっているブラシの音が聞こえています。少しして水が流れてタイルが

濡れた瞬間、鏡となって天井に空いた明り取りの空に小さな飛行機が飛ぶ

のを映します。何回か水が流れて洗濯場か浴室を想像させながらカメラは

水平に起き上って全体を映します。そこは唯の駐車場で少し大きなバケツ

とホースが在るだけで散々流れてきたたっぷりの水の存在が嘘だとばれて

ここが私的には、少しがっかりな演出で少し身を乗り出していたのが引い

てしまう処だったのです。これをわざと入れたのか、このような計算が出

来ない脚本なのかは、よく判らない処。1971年のメキシコの水道の水

圧がめちゃめちゃ強かったかどうかは判りません。メキシコのマフィアの

拷問で良く出てくるのが縛り上げた人間の口に水道のホースを加えさせて

延々と水を飲ませると云うのが在ります。乾いた土地で水は貴重品です。

この水と云うのが最初の伏線で置かれます。

ローマ帝国はいろんなものをアウトソーシングして滅亡した国です。ドラ

マの主人公が召使い。それが判っているにもかかわらず、主人公らしいド

ラマを期待するのですね、私たちは。でも、召使いの生活にはさほどすご

いドラマは起きない。いや、それなりに起きる事は起きるのです。でも普

通として見てしまう。1971年は、メキシコでも学生運動が吹き荒れて

時代が大きく動き始めたところだと思います。この映画の凄さは、やはり

セットですね。車、道具、衣装とんでもなく凝っています。とてつもなく

細部にこだわっているし生活感を再現している。しかしこの生活感と云う

のが召使いのインディオの女性の言語なんだと思います。だからリアルな

セットが必要だし、モノクロにせざるを得なかった。研究者のパパが女作

って家を出て行く。ママがパパの代わりに働く。クレオが家の中心になる。

ラストの前にその様な事件が起きます。少し退屈、だけど最後のところで

腹の底から何か得体のしれない感動が沸き起こってくる。このような不思

議な物で涙したのは初めてです。今朝、新聞の「折々のことば」に「人は

ひとりきりで幸せになる事は出来ない」と云うのが在りました。宮沢賢治

の云い方で「世界中の全ての人が幸福にならないうちに自分自身が幸福に

なる事は無い」と云うのが在ります。しかし、それにしても「ローマ」

と云うタイトルが・・・・・・・。

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